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人魚の森 (少年サンデーコミックススペシャル―高橋留美子人魚シリーズ)

価格: ¥550
カテゴリ: コミック
ブランド: 小学館
Amazon.co.jpで確認
たかが漫画と侮ることなかれ。 ★★★★★
このシリーズは、高橋留美子さんが、かなり前から
不定期で描かれているシリーズです。

昔から伝わる人魚に関する伝説をテーマとしています
(人魚伝説は、柳田国男の著作などにもみることができます)。
日本の人魚伝説は、外国のロマンティックなものとは異なり、
おどろおどろしいものが多いようです。
当然、この人魚シリーズも、ホラーに近い内容になっています。

人間は、いつか必ず死にます。
ですから、日本、外国を問わず「永遠に若く、幸せに暮らす」という憧れが、
人間には必然的にあります。
しかし、「もし人間が死ねなかったら、どういうことになるか?」
また、「若いまま、永遠に生き続けることが、本当に幸せなのか?」
というテーマが、この作品には描かれています。
一話一話がまるで、小説のようです。

高橋留美子さんは、いわゆる「少年漫画家」です。
その画は、力強い線で描かれた堂々たる画です。
無駄な描き込みはなく、シンプルでかつ表現力が豊かです。
こういう画を描く漫画家は今では少なくなっていると思います。

テーマが重いので、笑いを求められる作品ではありませんが、
こういう漫画は貴重な存在だと思います。
闘魚の里のラストが泣ける。 ★★★★★
人魚シリーズの初期短編・高橋女史が平井和正氏の小説「ウルフガイ」シリーズの影響を受け描かれた作品。犬神明の運命の哀しみを勇太に込めて描かれたものだと思われる。
このシリーズの哀しさの根底はシリーズの2話に当たる「闘魚の里」のラストカットにある。
当然、真魚がまだ出てこないので勇太の真の哀しみが理解できる。
どんなに人と心を通わせられても同じ時間を生きて死ぬ事が出来ない男。不死以上に不老の方に悲劇があるのだ。普通に生きて普通に老いて普通に死ぬその当たり前の事が出来ない哀しさと孤独はどんなにつらいことだろうか?
普通の生活が勇太にとっては、手に入らない「夢」なのだ。
シリーズの復活を望む。
娯楽には重すぎる ★★★★☆
高橋留美子のスプラッター。陰惨な連作短編で、「人魚の森」「人魚の傷」「夜叉の瞳」と続く。不老不死の主人公なのでどんなにひどい目に遭っても大丈夫。残酷な描写が続くが、単色刷なので何とか読める。また陰惨なのは絵だけでない。ストーリーも同様で、少なくともカタルシスのある作品ではなく、戦闘場面では同様に血みどろな「犬夜叉」ならみられる息抜きの場面もない。

生きること・死ぬことを主題とする以上、陰鬱な印象は避けられないのだろう。しかし、思索的な暗示は一切なく、ただ主人公は「ふつうに年老い、死ぬ」ことのできる生を求めて500年もの間世間をさまよっているのである。私にはそれが不満。なぜ不老不死が捨てられねばならないのかを、主人公・湧太に語らせて欲しかった。また、湧太が助け、行動を共にするヒロイン・真魚(まな)が、人間らしい感情をもつのかもたないのか、あいまいなままで物語が終わってしまったようだ。せっかくの、悲しい運命を背負った美少年・美少女コンビであるのに、その甘酸っぱさが生かされていないと思える。

作者らしい達者な絵柄と丁寧なストーリー運びである。しかし、これは「楽しむ」という観点からみると些か暗すぎる。そして蛇足を書くとするならば、高橋留美子の描く若い美男美女はどの作品も皆同じ顔。マンネリ感を持ってしまうのはあまりに贅沢というものか。
重いテーマ性 ★★★★★
CSでアニメ版を見て原作(コミック)を買いました。
アニメ版は原作を忠実に映像化していると感じた。

「不老不死」年代に関係無く人が抱く永遠の欲望とそれを手に入れた者の悲哀を通して
人の死や命、人の幸福や人の生き方・生き様をテーマに描いた作品だと思う。
多くの登場人物は、どちらかと言えば「不死」の悲哀に重きを置いて描いているが、
「不老不死」の悲哀を一番体現している人物の話もあり、その生き様は本人にも周囲の人間にも残酷。
人魚の森のシリーズで感じた事は、「不老不死」の悲哀と平凡に生きる事の幸福。
それを思い知らされる惨い話もある。
ないものねだりは人間の性なのかも・・・ ★★★★☆
500年前、ある漁師が不老不死の妙薬と言い伝えられる人魚の肉を持ち帰る。
ところが、人魚の肉を食べた漁師仲間のうち不老不死の身となったのは唯一、湧太という
若い漁師だけ。
人魚の肉は食した者すべてに不老不死の肉体を与えるわけではなく、人魚の肉の不思議な
力に耐えられる人間は数百年にひとりいるかいないか。不老不死になれなかった人間は
死ぬか、《なりそこない》と呼ばれる化け物になってしまう。
ひとりだけ不老不死となったことで、大切なひとはすべて自分をおいて死んでいく
逃れられない孤独にさいなまれ、湧太は死を迎えることのできる肉体を取り戻す方法を
探し、いつ終わるともわからない旅に出るが・・・

人魚シリーズと呼ばれるこの作品は1980年〜1990年代に雑誌掲載されました。
私が初めてこの作品を読んだのは10年以上前の小学生か中学生の頃だったと思います。
衝撃的とはこの作品との出会いに使うものだと思い、怖い、とも思いました。
《生》に対する人間の執着がとても恐ろしかったです。
怖いけれど《永遠》への人間の憧れを浅ましく残酷に、時には哀しく描いたこの作品を
何度も読み返してしまいました。
死亡率が高いのですべてのひとに愛される作品ではないと思いますが、たくさんの者を
惹きつけ、何度も読み返したくなる作品ではないでしょうか。
怖くて古本屋さんに売っても、数年後にはまた読みたくなって、結局本棚にある本
だと思います。