奇妙ではない、真っ当な映画レビュー
★★★★★
尽きることのない『ジョジョ』ブームの中、変化球として繰り出された本書ですが、これが思いのほか「ズキュゥウウン!」と刺さる読みごたえとなっています。
荒木氏が舶来ホラー映画の私的傑作をあげつらっていくのですが、ストライクゾーン目いっぱい使いながら、実にきめ細かくバランスの良い配球に、職人芸を感じずにはいられません。
マニア受けに走らない。
でも、ありふれた表現にとどまらない。
まるで映画レビューが本職かのような、板についた語り部ぶり。この着眼と頭脳から『ジョジョ』が生み出されいると思うと、うならされる仕事ぶりです。
震災を挟んでも、1ミリもぶれることのない荒木氏の「エンタメ愛」にもほれぼれしました。