円谷英二 日本映画界に残した遺産
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本書は昭和48年に初版が発行され、その後長い間再販されず、ファンの間では伝説となっていた本です。円谷英二監督の生誕100年を記念して2001年に再版されました。内容は初版そのままに、当時の空気を真空パックしたかのようで新鮮です。編者は円谷監督のご長男、円谷一さん(故人)。英二監督のすぐそばにいた人の感性で、英二監督の人となりを伝えていて大変興味深い記事が満載されています。単に作品を列挙するだけに留まらず、円谷英二という人がどのように考えながら一生を送ったのか、またその時代背景との関わりがどうだったのかが克明に描かれており、特撮を目的に見ても、偉人伝として見ても必ず満足感の得られる一冊だと思います。