が、筆者が一番参考になったのは実は3のschool+museum(知識中心の鑑賞からの転換 美術館と学校がつながるまで ほか)だった。学校で子供に美術鑑賞させる時、どうすればよいだろう。ただ見せ、解説をすればよいのだろうか?それで子供は美術に関心を持つようになるだろうか?それは押し付けに過ぎないだろう。ところが本書では鑑賞だけでなく、更に発展させて子供に創作活動までさせてしまう。鑑賞のさせ方も様々で、学校と美術館学芸員やボランティアが連帯したり、学校の先生が工夫したり、と「ああ、その手があったか」と感心させられることしきりである。筆者も今からでもいいからこんな鑑賞の仕方を体験してみたい、と思った。どんな鑑賞の仕方か、は直接本書にあたってみていただきたい。
最前線である現場はやはり強い。そして日々試行錯誤している。ぜひ再読したい本である。