タイトル名を見ると、興味をそそられるのだが、実は、著者が人文書院で書いたものを組み直して出版したもの。内容は、人文書院で著者が以前書いたものと同じもの。まぁ、新しいものもあるではあろうが? なぜ、そのようなことをする必要があるのか? なぜ、同じ原稿を出版社をかえて売り出す必要があるのか、意味不明。
内容にしても、論証はきわめて粗く、テ-マに一貫性なし。例えば、能舞台の象徴性では、能にかかわるさまざまな要因が易と五行との観点から考察されているのだが、それらがト-タルにどのようなかかわりをもっているかがまとめられていないのだ。きわめて読み手に不親切な本といったところ。