そしてハンニバルがどの峠を越えたかどうしても知りたくなった方はこちらに進んでください。そんなことはどうでもいいから「ローマ人の物語」の続きが読みたいという方はそのまま次の巻に進んでください。ハンニバルがどの峠を越えたかはなぞのままにして差し支えありません。
2.全体に、訳書であることを感じさせない「読み物」となっていて、且つ、謎解きの推理の部分も明晰さも失われていない。血湧き、肉踊る「英雄伝」、徐々に、吸い込まれていく。 3.訳者作成の地図上を推論に従って追って辿るとき、あたかも自分がルートを行軍しているような気分になる。ただ地図がもうすこし大きくはずせたらと。
4.少年期を戦中に過ごしたものには、ハンニバルの補給を軽視した行軍は、日本軍のビルマ侵攻を、ローマ侵入は日本軍の中国大陸侵入を想起し、これが古代の物語りかと訝った。原著者は「序章」でポエニ戦争をヨーロッパでの第二次大戦を対比している。