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人間の絆〈上〉 (岩波文庫)

価格: ¥987
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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退屈だった    ★☆☆☆☆
20代の頃に中野好夫訳で読んだが、何だか描写がスカスカで、ちっとも面白くないので途中でやめてそれっきりである。当時は真面目に一字一句読んでいたから、今でも面白くないだろう。モームは通俗的だというが、面白いが通俗的というならともかく、面白くないのでは読まれなくなったのも当然である。ただ私はディケンズの『デヴィッド・コパフィールド』も退屈だった。『ジャン・クリストフ』は素晴らしかったのに。それは藝術性とかいうことよりも、英文学というものにある、何か特殊なものが関係していると思う。私はこの訳者からいただいたので申し訳ないのだが、行方先生に教わったヘンリー・ジェイムズの方がずっと面白かったのに、なぜあれを出さないのだろうと思うのである。なお題名は誤訳というより販売戦略で、本当は「人間の束縛」であります。
人を惹きつけて離さない素晴らしい小説 ★★★★★
人を惹きつけて離さない素晴らしい小説だ。訳が良いし、章立ても細かくて読みやすい。なんといっても、モーム自身の自伝的な要素も含まれているのがとても興味深い。足に生まれながらの障害をもつ青年フィリップが主人公だ。モーム自身は吃音に悩んだそうだが、小説では分かりにくいので外的な障害をもちいたそうだ。幼少期から青年期にかけての主人公の心の葛藤と、自らの人生を発見するにいたる壮大な物語だ。この小説には何箇所か共感するところがあり、最終章では私自身の人生観と重なる部分もあり、大いに感動した。共感する箇所のひとつは、ミルドレッドなる女性と主人公フィリップの愛と憎悪が交差する関係、自虐的な行動と心理的葛藤だった。もうひとつは以下に引用した最終章の数行だった。主人公フィリップが苦悩と葛藤の末に到達した人生観のひとつだ。

「・・・正常など世にも稀であるのが分かった。誰だって、肉体的あるいは精神的に何らかの欠陥がある。これまで知り合った全ての人のことを考えてみた。(世の中全体が病院のようなもので、わけもへちまもないところなのだ。)

すると病人の長い列が見える。体を病んでいる者、心の悩みを抱えている者、心臓や肺を患っている者もいれば、心の病として、意志薄弱、アルコール依存症のものなどもいる。

この瞬間、フィリップは全ての人に聖なる共感を覚えた。

・・・唯一分別のある態度は、人間の善い部分は受け入れ、悪い部分は大目に見てやるということであろう。」

素晴らしい小説に出会えたことを神に感謝する気持ちでいっぱいだ。小学4年生になる私の息子は、色弱という障害を持っていることが分かっている。いずれフィリップと同じ悩みを持つことになるだろう。いまは真剣に『ハリー・ポッター』を読んでいるが、時期が来たら、息子にこの小説を読ませようと思う。
短編小説のような長編小説 ★★★★★
数多いチャプターによって構成されているまるで連続テレビ小説のように読めるためここまで読めました。モームの全ての作品のアイデアがこの3冊に詰まっています。読みやすい翻訳のため
昔途中で挫折した本ですがこの翻訳ならok
人生の縮図。10代後半に読みたかった。 ★★★★★
まず、翻訳がすばらしいと思った。原文は知らないけれど、現代の小説と思っていいほどモダンで読みやすい。

上、中、下巻の3冊合わせると、軽く辞書ぐらいのボリュームがある。
長編小説は途中で読み止めたり、惰性で流し読みすることもある自分だが、これは読み通すことができた。
多くは訳のおかげだと思うし、各章が短めに区切られているのも長続きできてよい。(100章以上もある)

舞台はイギリスから始まる。足の不自由な少年フィリップが出会う、さまざまな友人や恋人を通じて、彼の人生観が形成されていく。
題名に「絆」と付いているので崇高な印象を受けるが、ドラマだと思うと気軽に読める。
男性視点であるが、心理や行動の描写が人間臭いし、日本人の自分にも共感できた。
特に、全編通じて登場する魔性の女ミルドレッドとの、ドロドロした関係はトラウマ的に印象に残る。

ヨーロッパという土地柄や芸術の話もでてくるので、適宜ネット等で調べればより深く楽しめるだろう。

自分はもう遅いが、悩み多き年頃に読み、大人になってもう一度という読み方をしたい。全巻セットで置いておきたい。
人間の絆〈中〉 (岩波文庫)
人間の絆〈下〉 (岩波文庫)
「月と六ペンス」以上 ★★★★★
 タイトルには、腐れ縁とか、しがらみ、骨がらみといったような意味もあろう。
 昼ドラ的展開で、確かに通俗的だなあと思いながらも、上中下巻を一気に読ませる。
登場人物各人の自己本位な性格や発言について、事細かに指摘していくあたり、紫式部の筆致を連想した。
 それぞれ違った意味で愚行を繰り返す主人公やヒロイン(?)に、人間のやむにやまれぬ真実を見る思いがする。
 とにかく、ミルドレッドが印象的。