恋するマドリ 通常版 [DVD]
価格: ¥3,990
引っ越しをキッカケに運命的に出会った3人の男女の恋と友情を綴った、切ないけれど最後は爽やかな感動を味わえる作品だ。新垣結衣演じる主人公ユイは、引っ越ししたマンションの上の階に住んでいるタカシ(松田龍平)に惹かれていく。一方、自分が以前住んでいた部屋の新しい住人アツコ(菊池凛子)にも憧れるように。だがその内に実はタカシとアツコがかつては恋人同士で、しかも互いにまだ想いをつのらせていると知ったユイは、2人をなんとか結びつけたいと思うようになっていくのだが……。
主人公たちそれぞれの想いが交錯していく様を、じっくりととらえているし、それぞれの秘めた切ない想いは確実に観ているこちら側に届いてくる。熱くなりすぎない人間関係も現代っぽいし、映像も音楽もとにかく心地良い。だがそんな心情の積み重ねがメインなドラマだけに、細かい部分にリアルが感じられないと、せっかく気持ち良く走っていたのに石につまづいてよろけたような感じになってしまう。例えばプロレスラーが副業でやっている引っ越し屋。なぜかひとり覆面姿で働いているのが違和感。今ドキそんな姿で現われたら、客が不信感を持つだろう。他にも橋の上からどうやって瞬時に船に乗ったのかとか、普通に観ていても疑問に感じるシーンがチラホラ。マンガ気分で観れるほどぶっ飛んではいないし。そのディテールのツメの甘さが勿体ない。そこらへんをカバーしてくれていたら本当に完璧だった。(横森文)