制度としての「美術」
★★★★☆
1989年に刊行された本書が、20年経ってブリュッケより定本として刊行された。
「美術」という言葉は、所与のものではなく、近代になって新しく現れた言葉であり―つまり、西洋から移植された言葉であり、またそれが意味するものが近代以前とは異なるということは、よく知られている。
しかし、そのように、美術を「制度」という側面から見直すという研究は、まさにこの本から始まったことであり、日本近代美術の制度論に関心がある人であれば必読の書である。
ずっと絶版になっていたので、手に入れることがやっとできてうれしい。