入門書としては、お薦めできません。...が、
★★★★★
この本は、フォーカシングの入門書としては お薦めできません。
翻訳もこなれていないため、とても読みにくい本です。
...が、
知りたいことに、応えてくれた本です。
第2章「特別な話し方」では、
クライエントの話し方のモードを4つに分けて『例示』してくれます。
ストーリーテリング・モード、知性化・モード、情動へのとらわれ・モード、
そして、カウンセリングが成功するモードです。
ジェンドリンが言うところの、カウンセリングが成功するときのクライエント
の話し方、これを、はっきりイメージできます。
第3章「フエルトセンスという考え方」では、
アートギャラリーで目をひかれる絵を見た時を例にして、『フエルトセンス』が
生まれる時、(外から)フエルトセンスが中断される時、そして もう一度
フエルトセンスが呼び戻される時を丁寧に説明してくれます。
他の章でも、
理解を助けてくれる例をとって、わかりやすく説明してくれます。
入門書ではないので、
この本の前に、手にしてみたら良いと思うのは、これらの本です。
1)『フォーカシングで身につけるカウンセリングの基本』(近田輝行)
入門書として、最適です。
2)『フォーカシング指向心理療法 上巻』(ジェンドリン)
ジェンドリン自身のフォーカシングの本です。
事例が多く、理解を助けてくれます。
3)『フォーカシング』(ジェンドリン)
ジェンドリン自身のフォーカシングの説明です。
事例を使いながら説明しているのでわかりやすい本です。
この本の中でも引用されています。
4)『解決指向フォーカシング療法』(バラ・ジェイソン)
事例が多いこととブリーフセラピーとの比較、融合が書かれているので
フォーカシングの特長が はっきりします。
まず、1)を 続いて、2)〜3)のうち 自分に合う1冊を読んでから、
この本に移ると、フォーカシングの理解が進むと思います。
深めてみてください。
惜しむらくは、...
ほんとうに残念でならないのは、... 『こなれていない』翻訳 です。
★は、3つか4つにしたいくらい 同じところを何度か読み返させる文章です。
が、私には、この欠点を補ってあまりある内容だったので、
★5つにします。