セラピーをスリムにするためのノウハウ本では無かったかな
★★★☆☆
実体がありそうで無さそうなブリーフセラピーを、論理でなく体験で語っている本だと思いました。
ブリーフセラピーを「短期療法」と和訳することに疑問を持っていたので、経験豊かな心理臨床家と同じ意見であることに安心を覚えた点は読んで良かったと思います。
なお著者自身も冒頭に書いている通り、文章が読みづらいです(><)。
何を言わんとしているのか推理して読み進める必要があるので、さらさらと読める感じではありませんでした。
「ミルトン・エリクソンから結んだもの」「システムズアプローチという魔法の箱」など、各章のタイトルが面白かったのですが、内容には面白さを感じませんでした。評価を下げてしまって申し訳ありません。
またこの本でセラピーをスリムにするテクニックを期待している方にはお勧めできかねません。
むしろブリーフセラピーに特化した本を読むほうがテクニックは仕入れることが出来ると思います。
ブリーフセラピーを学ぶ人は是非読んでおきたい!
★★★★★
筆者の吉川悟先生は、言わずとしれたブリーフセラピー(システムズアプローチ)の著名な臨床家で、元日本ブリーフ・サイコセラピー学会の会長を務めている方です。 この本の内容は、今まで本の内容では理論派っぽく感じていた吉川先生の本よりも、読みやすく、身近で語りかけてくれる印象を受けます。 筆者自身のブリーフセラピーとの出会い、臨床感や、ブリーフを学ぶ人若い臨床家への意見などが、忌憚のない言葉でかかれています。その一方で、ミルトン・エリクソンからのブリーフセラピーの系譜や、その意義、その技術などにも触れていて、まさに、セラピーをスリムにする内容です。 この本を、はじめてブリーフセラピーの本として読む方には、理解できない所もあるかもしれませんが、その後、きっとさらに他の本を読みたくなるでしょう! 入門とはかかれていますが、ベテランの方でも、きっと改めて臨床を考えさせられることも多いのではないでしょうか? 是非読んでおきたい、そして、手の届くところに置いて読み直したい一冊です。