勉強法学者の書かれた本であり、参考になる部分が多々ありました。勉強法で悩みをもたれている方々は読まれてみてもいいのではないでしょうか。
購入者に失礼ですが、この本の「勉強（利用）法」を。この本は４部構成・１１章立・９１の見出し（ﾋﾝﾄ）がついています。試験勉強とは、目指す試験の合格レベルと現在の自分のレベルを適確に把握し、そのギャップを埋める作業に他なりません。そこに色々な勉強法が入ってくるだけです。したがって、受験生は様々な勉強法から自己の使用する勉強法を選択しなければなりません。そのためには各人の明確な判断基準が必要です（その後修正・変更するとしても最初の段階で選択を間違うと大きなハンデになってしまうとともに挫折の要因です）。
そこで、判断基準を確立するための一方法としてこの本を使用してはいかがでしょうか。
方法は「それはなぜか？」です。
９１の見出しに「それはなぜか」「それは何か」と自問し端的に理由を答えていきます。最初から問の型になっているものは、答えを言った後に理由を答えます（これができなければこの本を読む価値はないし、「読んだ」とも言えないでしょう。たくさん勉強法の本は読んだが勉強法がわからない・定まらない、という人はこれさえできていない場合がほとんどだと思います）。その後は章立てを利用して再構築する。あるいは「時間」「場所」「対象（教材）」「方法」「お金」「メンタル」など、勉強に必要な要素ごとに再構築するのも有意義だと思います。難しい試験を目指す人ほど勉強法は重要です。そして合格する人は間違いなく自己の勉強法を持っています。勉強法の本はたくさん出ていますが、主観的な部分を極力排し、客観的に判断しないと、あっちに引っ張られこっちに引っ張られとなってしまいます。確信をもって勉強を続けられるよう、確固たる判断基準を。その多くがこの本には書かれています。
ただ、構成の不十分さ、用語（ｷｰﾜｰﾄﾞ）の使い方が曖昧なため一読了解できない部分があったこと、それに自分の発した問に適確に答えていないなどの点で★-２としました。

楽をして身に付くような流行の勉強法の本ではなく、正しく努力を強いる
正攻法の勉強法の本。
その点では、バンバン売れて、ベストセラーランキングに入ったりする
ことはないだろう。
ただし、何らかの資格試験や大学受験を経験したことのある人なら、
納得できる内容だと思う。
1点注意すべきは、この本は同じ著者の作品の増補改訂版なので、
前作を持っている場合内容のかぶりがあることか。

　著者は、東大にも司法試験にも一発合格した資格試験予備校講師。
　色々なアドバイスが明快な理由付きで書かれていて、お勧めできます。
　たとえば、週２４時間でよいからしんどい勉強をせよ、社会人はどうしても予定が狂うため予定を週単位にせよ、暗記は早めに始めよ、参考書は具体的な質問を１つ用意して選べ、など。かなりの分量だが、「行間を読めと言われますが、行間には何も書いてありません」のように、予備校講師らしく笑わせてくれる箇所もあり、どんどん読み進められました。