なんのこっちゃ?
★★☆☆☆
「しなやか」に「したたか」に組織を変える人々とあるが、
いわば通常働いててよくある、組織のなかで高らかに名乗りを上げて戦うよりは、
「大人」のやり方で、それとなく自分のやり方を通せた人達の
驚くばかりに少しのエピソードを軸にまとめられている。
だもので、途中で読者はさも知り合いの話をされているかの如く
エレンは、こうだったからと以前のページで取り上げられた話が幾度となく取り上げられる。
これで、結局なんの結論が出るのか?
改革の旗手を待ち望んでいるだけの人々への貴重な提言
★★★★★
タイトルや、全体にピンクを基調とした装丁から、「癒し系」のスピリチュアル本かと思い手に取りました。
実際には、組織改革に向けたボトムアップの個人活動に焦点をあてた、硬派な本で、大変な拾いものです。
リーダーシップ論として読んでも、とても参考になると思います。
著者がスタンフォード大学の女性教授ということで、アメリカにおけるマイノリティ(の立場)からの事例が多く、
日本人読者として身近に感じるには難しかったですが、”名もなき人々”の改革に向けての行動が、
どのような形で進んでいくのかは、十分に理解できます。
特に第8章の「静かなる改革者が直面する困難」は、日本の企業組織におけるまさに”大企業病”の閉塞感にも通じており、
とても考えさせられました。
「今の経営者じゃ先行きがなぁ〜」と、改革の旗手を待ち望んで居酒屋で愚痴をつぶやいている私のようなサラリーマン諸氏には、
ぜひ一読をお奨めします。
自己に忠実に、静かに抵抗する
★★★☆☆
筆者は社会的責任、男女平等や人種差別の解消を推進する組織変革の家庭に関する研究家ですので、職場でゲイがいかに正当に扱われるかに尽力した先駆者やマイノリティーの地位確立への地道な努力したマネージャーの事例がたくさん出てきます。
日本で共通する問題といえば男女差別くらいでしょうか、しかし賢明な読者であれば、本書から多くの教訓を読み取ることができるでしょう。日本でもポジションパワーを持たずして、組織内で変革を試みる場合、多数派たちにより、集団の人々は何者であるか定義をされ、変革者はその枠をはみ出たものとみなされ、排除もやむなしという立場に立たされます。彼らにどのような戦略で変革者は臨むべきか。本書にはその事例にあふれています。他者と異なる自己を表現し、理想に基づいて行動したいと願いながらも、反抗者とみなされるようなリスクを負えない人々は、賢明にも静かな抵抗という道をたどるケースがあります。またあるものは個人の危機をチャンスに変えて自体を打開します。またあるものは交渉を通じて影響力を拡大していきます。
しかしながら、これらの手法は熟練したビジネスパーソンであれば、自然と使っているのではないでしょうか。逆に熟練したビジネスパーソンになりたいのであれば、巷のハウトゥモノの何倍も役に立つように思います。しかし本書は自分の環境からかけ離れた事例からそれを一般化して自分の立場に置き換えるという作業を要しますので、読み手にもある程度のレベルを要求しているビジネス書だと思いました。