効率良い線形代数の勉強を
★★★★☆
177ページ。「ベクトル」,「行列」,「行列式」,「行列式の応用」の4章からなる。高校では、行列は2次までらしいが、この本には制限はない。例や問題は、3次が多い。「行列式の応用」では、固有値と固有ベクトルを求める。「行列」では、消去法(掃き出し法)で、逆行列を求めたり、連立方程式を解いたりするが、この章は貴重かもしれない。この本は、高校生にも薦めたい(大学生にも良いかもしれない)。高校では平成24年度から新課程が始まるらしいが、それが始まったら本書は、より貴重なものとなるだろう(高校生にも、大学生にも)。
[(例と)例題, 問題が豊富。別売りの問題集も全てやるべきだろう。問題集の「課題研究」までやって完成するようになっている]。[]内のことは、このシリーズの全てに共通。高専数学シリーズの目次は、http://www.dainippon-tosho.co.jp/products/m_kousen.html
ただ、複素行列と、抽象的な線形代数(ベクトル空間など)はやらない。また、対称行列の標準化の議論が不十分だろう。なので星を一つ減らしている。