Rather Ripped
価格: ¥906
新しいアヴァンギャルドなバンドがカット・レイト・ギターをひっさげて、エクスペリメンタルなノイズをはずませて、ニュー・ヨークのアンダーグラウンドで炸裂しているのは、ほとんど25年ぶりの事件である。21番目のレコードが皮切りになるだろうか。ソニック・ユースのアルバムRather Rippedは、今までの中で一番聞きやすいアルバムになっている。キム・ゴードンのきわだったヴォーカル、サーストン・ムーアとリー・ロナルドの間に繰り広げられるギターのもつれた輝き。12曲中ほとんどはスマートなポップスである。例えばゴードンのReenaは彼女の逸品だ。物悲しいLights OutとTurquoise Boyは、この50歳を超えた歌手の優美な声にすり切れたフランソワーズ・アルディの声を思わせる。達人ムーアはDo You Believe in Raptureで宗教対立について熟孝させ、ルー・リード風なSleepin' Aroundで、でたらめを歌う。ロナルドの欠くべからざらざるナンバー、Ratsは、非常に先進的でヘビーなフィードバックだが、かれの最良の曲といえる。ムーアのフォークに近いOr、これはready or not のorであるが、この曲で、レコードがフェイドアウトしていく時、ソニック・ユースは本当に素晴らしい。パンク・ロック・ヌーヴェルの新しいフェーズが、始まりそうな予感である。