新しい世代の傾向と対策
★★★★☆
情報機器は進化していると思う、それに対して今までの世代、これからの世代の価値観がどのように変わっていくのかを知りたくて購入、通読。
読んでみると、時代時代の社会的背景、技術的背景によって、どのような価値観をもつ人間が育っていっているのかがよく分析されている本だと思う。どうしても価値観というのは自分を中心に考えてしまうことがあると思いますが、本書を読むことで自分よりも若い世代の生き方、価値基準を感じることができると思います。面白かったのは携帯への親和性の高さ、書き込むデバイスとしての携帯を定義していることや、映像に対する価値観(可搬性など)が変わり映像に対する処理方法もいままでとは変わっているのではないかという指摘です。また関心示すスコープも身近なスコープに対して求めているという指摘も面白かったです。情報技術の環境や経済の環境によって、人間の育ち方が変わるということを改めて認識することができました。
若者と価値観がずれていると感じることや、自分と世代の異なる人たちをスコープとして何かを起こそうとしている人にとっては本書を読むことで、若い世代が求めることが何かを見つめなおすことができると思います。
自分自身のパーツになっている
★★★★★
興味深く読みました。
ネオ・デジタル・ネイティブとは、1996年前後、つまり現在、中・高生の、
生まれたときからパソコン、携帯がパーソナルに存在し、当たり前に操る世代。
携帯が「機器」ではなく、すでに体の一部のような存在になっている。
しかし、それは日本独自の進化を遂げているらしい。
いながらにして広い世界とつながることのできる、インターネットや携帯のツールを使用し
「世界」に踏み込むのではなく、身近な「世間」とつながる。
1986年前後に生まれた86世代は、肌身離さず持ち運べる携帯は自在に操るものの、
パソコンのキーボードは打てない。
この本を読んで気がついたのは、最近の携帯のCMは携帯の役を役者が演じていることがある。
それほど身近であり、自分の分身のような存在になっているのだが、
実は、すでにそれを超えて、携帯は自分自身のパーツのひとつになっているのだ。
いまや当たり前?の暗黙知
★★★★☆
ネオ・デジタルネイティブとは70年代中盤以降に生まれた
人のことを指す。
本書では、それを76世代、86世代、96世代と3世代の観点で見ている。
同じデジタルを操る世代でも10年周期で価値観や行動基準が
まったく異なっている。
かくいう私は76世代であり、確かに、パソコンとテレビの「ながら」を
している。ケータイも十分に操れるが、パソコン重視なのは否めないが、
周囲の86世代の行動を見ると、確かにあてはまっている要素も多い。
今後、さまざまなビジネスをしていく上で、このような観点から
ビジネスを組み立てていくことは、常識となってくるだろう。
「テレビ離れ」は実態的に
★★☆☆☆
読者のターゲットは恐らく本書が指すデジタルネイティブやネオ・デジタル
ネイティブではない30代中頃以降の層なんでしょうか。30代以下で普段からネットで
情報などを取っている人にとっては概ね知っていることのような気がしました。
テレビ離れではなくて、ワンセグ視聴や動画サイト等、モバイルとの併用が進んで
いるんだ、というメッセージが強い印象でした。確かにそうなんですが、モバイルなら
映像メディアだけじゃなく、ゲームや利用されているサービスとかについても
もっと実態を知りたかったと思います。