美術界のスキャンダルは洋の東西を問わず常にあるけれども
日本の美術史だけにスポットを当てたこういう本は珍しくて面白く読むことができました。
時代に翻弄されたりあらぬ疑いをかけられたり政治的な抑圧を受けて闇に葬られた作品や重刑を受けてしまった作家など、笑いとばせるようなものから、深刻なものまでいろいろなエピソードが綴られていました。
タイトルだけ見るとタブロイドっぽい印象を受けましたが、かなり真面目に考察されており、時代別に紹介されていることも当時の日本美術の背景や美術が社会に於いてどのような立場に置かれていたかがよくわかりました。