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海軍の選択―再考 真珠湾への道 (中公叢書)

価格: ¥129
カテゴリ: 単行本
ブランド: 中央公論新社
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海軍史研究の一里塚 ★★★★★
 山本五十六は真の平和主義者であったにもかかわらず、「一年半くらいなら暴れて見せましょう」と職務上やむなく真珠湾攻撃に向かった。阿川弘之らによって神話化されたこのイメージ。
 本書を読むと、そういうイメージは払拭される。山本と米内光政・井上成美のトリオが、米英協調から日独伊三国同盟に反対したという「通説」に著者は再考を迫る。海軍の伝統である「北守南進」、ひいては対ソ提携の立場から、反ソ的な陸軍主導の三国同盟に反対したのではないか。日独海軍の間には、技術面を中心とした強い結びつきがあり、対独提携自体に否定的だったわけではない。
 本書を読み進めるほどに、海軍=英米協調というイメージが揺らいでいく。
 陸軍は好戦的で、海軍は協調的だった。真面目な歴史書であっても、その影を引きずっている本がまだ多い。海軍史研究が陸軍のそれに比べて遅れているということだろうが、海軍という機構も政治主体の一つとして、敗戦へと雪崩れ込んでいく、あの当時の歴史に積極的に関わっていたことは無視できないことであり、本書はそのことを痛感させる。
 著者は防衛庁防衛研究所戦史部主任研究官。防衛庁の人がここまで書いても大丈夫なのか、とちょっと余計な心配をしてしまうくらいに刺激的な論考だ。
海軍善玉説払拭の本 ★★★★☆
 戦争における「陸軍悪玉・海軍善玉」という俗説を丁寧に粉砕する本です(もちろん陸軍善玉にはなりませんが)。大正期の日英同盟消滅以降、海軍の親独派が増えていきますが、この本では、明治期から海軍にも親独派が存在していたこと(山本権兵衛、伏見宮博恭王という超大物!)が指摘されています。また支那事変において米内光政は、陸軍の拡大派以上に拡大することを主張していたこと、米内らの三国同盟反対は、英米との協調というよりは「北守」であったこと、などなど、一般的な海軍像を払拭する(私にとっては)新情報、見解で満ち満ちています。

阿川弘之氏など海軍出身者がマスコミに影響力を持っているため、「海軍は紳士だ、スマートだ」「海軍は陸軍に引きずられた」といった海軍礼賛が一般的海軍観となっていると思いますが、それを払拭する本です。