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海軍と日本 (中公新書 (632))

価格: ¥693
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論新社
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日本海軍惨敗の軌跡 ★★★★★
極論的には当時の人材枯渇に帰するのであるが、日独伊三国同盟に猛反対した米内光政、井上成美など少数の理性派も居たのに開戦派に押し切られ、世界海戦史上例を見ない惨敗を喫したことの遠因を、昭和44年から延べ70人もの面接による事情聴取をもとに、海軍と戦争・海軍と政治・海軍の体質の三章から構成された希少価値のある歴史書である。
「戦わざれば亡国必至、戦うもまた‥」 ★★★★☆
「海軍」‥私にとって、そのイメージは獅子文六の「海軍」というより、映画の方の「海軍」によって
作られた部分が大きい。
 それだけでなく、もともと海はロマンをかきたてる存在であり、それはシンドバッドも、ロビンソン・
クルーソー、ガリバーも然り。
 男の子が海に乗り出す冒険を夢見るのは日本だけにはとどまらない、世界共通の心情とも言える。
 そんな「海軍」に対する憧れの心を、この本は見事に打ち砕いてくれた。
 実は、わたしは守旧の陸軍、開明の海軍という図式を何となく抱いていたのだ。
 しかし実際は、日本海海戦の勝利の故に艦隊決戦ばかりを指向する海軍もまた、陸軍と同様、
新時代の戦法に対応できなかった。
 マレー沖海戦の教訓を生かしたのは、勝者である日本ではなかったのだ。
 ハンモックナンバーによる人事面の膠着、人材の育成方法の失敗など筆者の断罪は、兵学校出身者
だからこそ、より辛らつだ。
 内部にいた人間だからこその筆の走りもあろうが、当時の提督や当事者への聞き取りは、今となっては
非常に貴重な資料だと言えよう。
 それが初版後四半世紀を経てなお、新刊として入手可能にしている所以であろう。
 特に「はじめに」は、著者の思いが吐露されており、有志諸氏にはご一読願いたい一文だ。
海軍の「人的」資源欠乏を衝く ★★★★★
 書店の店頭で本書を見かけたら、是非「はじめに」をゆっくり読み通してみてください。全編の基本線がみごとに凝縮された文章です。
 
 興味をそそられたら、33ページと41ページの前後数ページを「高度の平凡性」をキーワードにして読んでください。著者は、これが当時の海軍の最高幹部から中堅士官達にまで一貫して欠如していたことを指摘します。
 そして、なぜ組織的にそうした構造・体質になってしまったかについては、全編を通じて丹念な分析がなされます。海軍の衰滅についての、特に人事・教育面に深くメスを入れた文章は、具体的で説得力があります。
 著者は海軍兵学校を卒業し20歳の海軍中尉として終戦を迎えた方です。部外者ではなく、かといって内部中枢でもなかった。この立場視点から、なぜ貧しかった日本が歯を食いしばって国力を注ぎ込んで築き上げた海軍が、勝つ見込みのない戦争に突入していったか、また痛恨事の連続といってよいほどの過誤を重ねた戦いをしたのか、通説が与える説明へのわだかまりに自問し自答した結果が本書とのことです。
入門に最適 ★★★★☆
そのものズバリ、日本における海軍の興りから太平洋戦争終結までの海軍史をわかりやすく書いた本。

こうして考えれば、幕末から終戦まで、日本の海軍はわずか80年で消え去った、今考えても、はたと考え込んでしまう不思議な存在だ。太平洋戦争で使用された艦艇に比べれば完全にプラモデルのような戦艦「三笠」から「大和」まで、それがただ80年の光芒を残して消え去った・・・感慨深い。

そもそも、軍艦というものそのものが、国の叡智を結集して作られながら、一瞬で破壊されることも想定されているという矛盾に満ちた存在だ。日本では特に島国でありながら国としての海軍の歴史は浅く最盛期が短かった(自衛隊を軍隊と考えないならばの話)ことも思うと、うまく言葉には出来ないが、やはり軍艦や海軍というものには、人をひきつけてやまない「あはれ」があるように思う。
興味を持った方は、旧海軍についての書籍は本当に沢山あるので、知りたいテーマに沿って読んでみるのも色々考えるきっかけになると思う。