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肖像画で読み解く イギリス王室の物語 (光文社新書)

価格: ¥1,029
カテゴリ: 新書
ブランド: 光文社
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範囲、質、量ともにもうひと工夫欲しかった ★★★☆☆
英国王室の歩みを、肖像画とともに振り返るという企画。歴代の王や王女が人物画と一緒にイメージできる。小ぶりながら、絵の印刷の質は平均的な新書より良い。また、年表や系図も一応載っている。

英国王室の歴史は約1000年。しかし、本書で対象となっているのは主にテューダー朝(1485年)以降。それ以前の歴史に触れている部分は10ページにも満たない。日本でいえば、「応仁の乱以降の天皇家の歴史」という範囲。また、説明文については、近世以降は比較的手厚く面白いところもあるが、古い時代のものは歴史のあらすじを軽く追っているだけの部分が多く、正直言ってちょっと退屈だった。このページ数で英国の歴史を詳しく紹介するのは難しいだろうから、もっと特徴的な人物とそのエピソードに焦点を絞った方がよかったかもしれない。

それから、新書とはいえこれは西洋史を扱った本である。せめて人物名くらいは日本語表記だけでなく英語名も併記すべきである。
さすが ★★★★★
 超人的なペースで、質量ともに充実した著作活動を行っている君塚氏の最新作である。
君塚氏の本の特色は、高度な学術的内容を、わかりやすくするための細かい配慮が行われているところにある。本書のタイトルが、名画ではなく、肖像画で読み解くとされているところに注目したい。同じ出版社から出版されたオーストリア、フランスの王室は、すでに断絶した王朝である。これに対してイギリスの王室は、現在でも存続し、大きな影響力を持っている王室である。評価の確立した名画にこだわらないことにより、現実の王室にまで視野を広げることができたといえよう。文章は読みやすく、王室、イギリスの歴史の流れを容易に理解できる。しかし、特に、ヴィクトリア時代以降の記述については、余人をもっては代えがたい著者ならではの深い学識がちりばめられている。年表、地図、各肖像画家についての解説、参考文献も丁寧である。イギリスに関心を持つ人以外にも、ぜひ一読をお勧めしたい、珠玉の小品である。