インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

ヴィクトリア女王―大英帝国の“戦う女王” (中公新書)

価格: ¥903
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論新社
Amazon.co.jpで確認
新たに気づかされる、女王の凄さ ★★★★★
ヴィクトリア女王は、世界史でもとりわけ名が知れた人物のひとりでしょう。
その概説かつ19世紀英国史を垣間見ることができる良書です。
文章も、読者に気を遣ってか、それとも著者自信が愉しくなってきたのかと言わんばかり読みやすい仕上がり。
アルバートとのなれそめ、ヨーロッパ王室、皇室との関連、女王の外交や政党政治議会との関わり方などなど、素直に勉強になる一冊だと思います。
「女帝」らしい一生 ★★★★★
立憲君主政治の代表格たるイギリスのことであり、どうしても「君臨すれども統治せず」と言う言葉が染着いていました。
ですから、ヴィクトリア女王の時代が「太陽の沈まない帝国」の時代であるとしても、「女王」の力と言うものはそれほどないだろうと思っていました。
ところが、この本を読んでいく内に、そうした先入観念が一気に吹き飛ばされました。

64年間と言う長きにわたる在位の期間は、並の人間ではとても考えられない大変な「重労働」だったでしょう。
イギリス、いや大英帝国の国民の期待を一身に受けていたのですから・・・。

更に、この時代はイギリスの全盛期の時代であると言う認識が強かっただけに、度重なる戦争だけでなく、内なる議会とのやりとりの壮絶さは、想像をはるかに超えるものでした。

この本が、111巻にのぼる女王の日記をベースに書かれているだけに、フィクション以上の感慨があり、「女帝」と言う名にふさわしい一生だと思いました。
19世紀の英国政治史を新書で読める ★★★★☆
以前、同じ中公新書のチャーチルの伝記を読んでいて、
背景に流れる英国政治史に不案内なため、
面白さが半減していると痛感していた。
19世紀の保守党、自由党などの動き、
保護貿易をめぐる賛否、アイルランド自治についての
問題など、ちーともわからなかった。
本書を読むと、女王を中心にして
ピール首相や、パーマストンや、ディズレリが
踊り、かつてのもどかしさをずいぶん緩和してくれた。
ありがたい一冊と思う。
こんな良書が出せるのなら…… ★★★★☆
英近代史を学ぶには必読の本。入門者はおろか、痒いところにも手が届く作りは、研究者にも有益だろう。

本来ならば5つ星確定だが、残念ながら星をひとつ損している。
理由は、私が中央公論新社が嫌い(とくに昨今の編集方針)だからだ。
中央公論新社には、かつてのような気骨のある本を出していただきたいものである(言っても無駄か?)。
19世紀欧州史はもちろん現代英王室の理解にも資するお薦めの一冊 ★★★★★
ヴィクトリア女王の時代といえば英国の全盛期で、選挙権の拡大、政党政治の確立と偉大な首相を擁したこと等を世界史で習ったことしかなかったが、64年の治世の間に政治面・王室内ともに様々なことがあったことを本書は教えてくれる。一番興味深かったのは、夫の死後スコットランドのパルモラル城等に長期間滞在してロンドンに姿を現さず、新聞・雑誌に影響される世論が女王に批判的になり、王室不要論まで出たこと。まるで映画「クィーン」と同じではないか。パルモラル城に滞在して内政・外交について思索を巡らす場面、女王が組閣の大命を下す場面、首相等との駆け引き、ロンドンに姿を現すとたちまち世論を味方につける様子等、「クィーン」を観た人は似た場面を思い出しながら、観ていない人は事前の知識として、本書を楽しむことができよう。同じことは映画「麦の穂を揺らす風」の前奏曲となったアイルランド政策についても言える。また、女王がインド「帝国」創設にこだわった理由は欧州における「皇帝」の持つ意味合いを知る人には納得がいくことだろう。歴史が女王に流れ込み、そこからまた新たに展開したように私には思えた。

女王はまた、英国を大国たらしめるために、欧州では台頭する独、露の増長を警戒しつつ安定に努める一方、欧州外では植民地獲得に積極でありつつも、植民地が大英帝国を支えていることに自覚的であった。長年ライバル視してきたビスマルクとの晩年の交流等、心に染みるいい話も多い。そして、母、祖母、曾祖母として夫亡き後の40年間王室を牽引し、欧州の主な王室と縁戚関係を結ぶことにも巧みであった。本書は日誌や手紙・電報から女王の肉声をふんだんに盛り込んで英国の黄金時代を築いた女王の事跡をほとんど漏れなく紹介してくれる一級の書物である。