こだわりの原典版ですが・・・
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インヴェンションの前過程として使われる、「アンナ・マグダレーナ・バッハのクラヴィーア小曲集」の原典版です。
通常は省かれる、コラール等、鍵盤曲以外の声楽曲なども収録されています。
有名な「メヌエット・ト長調BWV Anh.114」はバッハの真作ではなく、クリスチャン・ペツォルド作と最近わかりましたが、これらもきちんと区別されて記載されています。
また、このペツォルド作のチェンバロ組曲も付録として収録されているのにも、こだわりが感じられます。
音楽学的には非の打ち所のない本なのかもしれませんが、ピアノ学習者にとって使いやすいかというと、そうでもないのかな、と思います。
解説がやや難解なため、初心者が使うことの多いこの曲集では、トリル等の装飾音の奏法で戸惑う人も多いと思います。
特にバッハの音楽にこだわりを持つ人でなければ、練習用としては、全音版 でも十分のように思えます。