（※本書は、全曲Hi-Gです）

やたら沢山出ている、ウクレレ用のジブリ楽譜。どれを買うか迷ってしまいそうですが、初心者に文句なくオススメできるのはこれでしょう。

ウクレレ用の楽譜というと、ウクレレが（ギターなどに比べて）簡単に弾ける楽器であることに乗じて、手抜きというか、単に音を減らしただけの粗製濫造な楽譜も少なくないように思います。しかし、この「ウクレレジブリ」は、初心者でも頑張れば弾ける位に難易度を下げながらも、音楽性を犠牲にしていません。著者キヨシ小林氏の工夫の賜でしょう。
　ウクレレで弾くこと前提のアレンジが行われ、イントロからメロディーまで、ちゃんとあのジブリの名曲を再現しています。難易度に比べて、演奏の音楽性が高い、コストパフォーマンスの良い楽譜と言えるでしょう。
すでに述べたように難易度は低めですが、中・上級者の方も、アレンジのベースとして活用できると思います。

　また、この本に付属しているＣＤがとても良いです。個人的にはアルバム版「ウクレレジブリ」より好みです。アルバム版は、ウクレレジブリと銘打ちながらも、ウクレレ以外の楽器の方が目立っている曲が結構ありました。しかし、この付属ＣＤは、１００％ウクレレの音のみ。ウクレレの癒しの音色を、たっぷりと楽しむことが出来ます。これだけで販売しても良いくらいの出来だと思います。
なお、本書に掲載されている楽譜の中には、アルバム版をお持ちの方向けに、アルバムとのアンサンブルが可能だという記載がされているものもあります。

さらに巻末には、弾き語りしたい方向けに、歌詞とコード進行まで載っています。
まさに至れり尽くせりの一冊といえるでしょう。

もっと難しい楽譜を弾きたいという方には、大橋英比個氏の「ソロウクレレのしらべ スタジオジブリ作品集」をお勧めします。