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ベローナ・クラブの不愉快な事件 (創元推理文庫)

価格: ¥756
カテゴリ: 文庫
ブランド: 東京創元社
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一区切り ★★★★☆
ピーター・ウィムジイ卿の活躍する長編第4作目。
次作からはピーター卿とハリエット・ヴェインとの長い恋物語が始まりますし、同時に出版社も変えているのでこのシリーズを2つに分けるとすると前期の最後の作品ということになります。

休戦記念日にベローナ・クラブを訪れたピーター卿はクラブの古参会員フェンティマン将軍が椅子に座ったまま死んでいる場面に出くわしてしまいます。おまけに疎遠になっていた将軍の妹も同じ朝に亡くなっていたので遺産の分配を決定するためにピーター卿に死亡時刻を決定して欲しいという依頼がされるというお話です。

まるで雲を掴むような話ですが、調査が進むにつれてどんどん結び目が解けていき最終的には一つの殺人事件が浮かび上がってきます。

以前からそうでしたが、この作品では人間描写に今まで以上に力が注がれていると感じました。
第1作目でも触れられた大戦の傷跡をより強く具現化している元大尉やハリエット・ヴェインの原型とも取れる女性達が登場するなど、前期の総決算+後期への移り変わりが窺える面白い作品になっています。
過渡期の一作かな ★★★★☆
ピーター卿シリーズの長編4作目です。今作は、年老いた兄妹が相次いで病死し、死亡時刻がどちらが先かによって遺産相続に違いが出る為に、ピーター卿が死亡時刻の特定に乗り出すという話。そういうわけで基本的には刑事事件ではないのですが、もちろん途中から殺人の疑惑が出てきて私の好きなパーカー警部も登場します。

犯人の正体はもちろん意外ですが、推理小説を読み慣れている人にはその意外性は決して高いものではありません。また、殺害方法も月並みで、推理小説的な興味は死亡発見時刻をごまかす為のトリックくらいのものです。セイヤーズの興味はむしろ人間の内面に向かっているようで、今作ではピーター卿が事件の関係者たち(=真犯人を含む容疑者たち)に温かい配慮を示しているのが目立ちます。次作からは彼の恋愛が描かれるのですが、その布石と言える作品ということなのでしょう。