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The Phantom Tollbooth

価格: ¥574
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Yearling
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   「何だかすべてが時間の無駄みたいだ」とマイロは嘆く。「何もすることもないし、行きたいところもないし、見るべきものだってない」。何事にも意味を見出せないこの退屈な、本当に退屈しきっている主人公の部屋に、なぜか料金徴収所が突然出現してびっくり仰天、憂鬱(ゆううつ)な退屈どころではなくなってしまう。マイロはほかにやることなんてひとつもないから、おもちゃの車のほこりをはらい、料金を支払って、料金所を通り抜けてみる。そこに待っていたのは神話的ともいうべき旅。マイロは退屈とはおよそほど遠い人物に、数え切れないほど出会うのだった。

   ノートン・ジャスターは独創的でウィットに富み、笑いを誘うこの小説を1961年に出版し、たいへんな賞賛を得た(そして今も得つづけている)。この35周年記念版の冒頭にある「Appreciation(この本のすばらしさ)」で、モーリス・センダックは「真の傑作が必ずそうであるように、『The Phantom Tollbooth(マイロのふしぎな冒険)』は飛び跳ね、舞い上がり、心をひきつける箇所がふんだんに盛り込まれている」と書いているが、まったくそのとおりだ。

   Dictionopolisに向かうマイロは、WhetherMan(いわく「天気がどうなるかよりも、天気があることを知ることのほうが結局は大事だ」)に出会い、Doldrums(Lethargariansがたくさん住んでいる)を通過し、トック(Tock)という名のwatch dog(大きな目覚まし時計の体をしている)を拾う。一瞬Officer Short Shriftと取っ組み合ったマイロとトックが、Mountains of Ignoranceへ双子のプリンセスRhymeとReasonを救出に向かう Word Marketでは、二重の意味に満ちた見事な風刺の世界は、いよいよ強烈なものになる。言葉、アイロニー、『不思議な国のアリス』風の冒険が好きな人にとって、この本は長年にわたりお気に入りの本になるだろう。(8才以上)