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The Graveyard Book

価格: ¥898
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Bloomsbury Publishing PLC
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まじめで教育的で面白い ★★★★★
 墓場でゴースト達に育てられるという考えただけでわくわくしそうな設定です。最初は、ゲゲゲの鬼太郎のような、少年が事件を解決していくような話かと思って読み始めましたが、少年の成長過程の中に事件が組み込まれているという、非常にまじめな設定です。読みやすく書いてありますし、後半は最後まで一気に読んでしまうような面白さです。分らない単語も少なく、お勧めの一冊です。
別れと希望は隣り合わせ ★★★★★
とにかく、わくわくドキドキはらはらと面白くて、主人公Nobody(Bod)の行く末が気になって、あっという間に読んでしまいました。個人的には、これほど本に首を突っ込むほど没頭して読んだのは久しぶりでしたね。
殺し屋Jackに家族を殺された赤ちゃんが墓地に行き着いて、Nobody(Bod)と名づけられ死者たちに育てられるというのが、ユニーク。墓場だから、いろいろな年代に生きた死者がいて、彼に色々なことを教えてくれます。
グールに連れ去られて彼らの世界に引き込まれそうになったり、昔の宝物を守る謎の魔物と対峙したりなどなど、墓地でさまざまな冒険をして成長するうちに、自然な成り行きで外の世界すなわち、生きている人間の世界で自分も生きたくなってきます。幼馴染のScarletと再会したことがきっかけで、家族を殺した敵と対面して戦うことになりますが・・・。
伝説や想像上の魔物が出てきたり、現実と空想世界がない交ぜになっているところが、興味を引き立たせます。グロテスクな感じがあったり、どこかユーモアが感じられる所があったりなども、独特の世界観を醸し出していますね。そして、Bodの成長と死者たちとの交流にも、わくわくさせられたり、ほろりとさせられます。
これは極めてユニークな設定のお話ながら、誰にも共通する成長物語ととることができますね。子供の頃は自分を取り囲む狭い世界にいて、空想と現実の中で遊んでいるようにして成長していきますが、いつの間にか、それから脱して外の世界を見たいと思うのです。そして、人は色々過去から学びながら失敗しながら、別れと出会いを繰り返しながら、成長していくんだなぁと、改めてしみじみ思いました。
最後の章の別れの部分は、胸が締め付けられそうでしたが、と同時にどこか希望が感じられて、すごくよかったです。別れは悲しいけれどそれは同時に新しい旅立ち、切なさと希望とを両方感じながら生きていくのが人間なのでしょう・・・とこう書くと、くさくなってしまいますね。つまり、そういうことを正面きって言われるとどこか反発したくなるところを、作者の独特の世界観を通して感じさせているようで、好感がもてました。
墓場を舞台にした少年の成長と自分探しのファンタジー ★★★★★
墓場の近くにある家で夜中に一家がJackという男に惨殺されるが、よちよち歩きの男児だけが墓場に迷い込んで難を逃れる。墓場に住んでいる死者(The DeadであってGhostではない)のミセスOwenは幼児に惚れ込み自分が育てると言い張る。墓場の住人たちは彼女に折れて彼をNobody Owenと名付けて育てる。
Bod(Nobodyのニックネーム)は墓場の外の世界は危険だから一歩も出ないように 命じられるが、成長するにつれ外界、友達、冒険、教育を欲するようになる。死者の世界と生者の世界の中間でときおり孤独を感じるBodは墓場でScarletという少女と出会い友情を育む。けれども彼女の両親の引っ越しで別れ別れになる。約10年後に戻ってきたScarletと再会したことがきっかけで、Bodは自分の運命と両親の殺害の真相を知り、敵と対決することになる。

この世に属さない者や暗い地下の世界が通常の世界と隣り合わせに存在し、ホラーとユーモアが共存するところがGaimanの特長。Bodを守るSilasやBodが友情を強く求めるScarletなどの登場人物も彼らしく、少年の成長物語として楽しめ、ビタースイートなエンディングにも好感が持てる。

ニューベリー賞、ヒューゴ賞受賞作。2009年世界幻想文学大賞候補作