ゾーンシステムの提唱者のみならず。。。
★★★★★
ゾーンシステムという、いまだ私にはイメージのつかない概念を理論的にも提唱しているだけでなく、本書にみられるきわめて美しく印象深い写真を提供している作者。ヨセミテをフィールドにしているらしくおきまりのショットもアンセルアダムスの作品には、そこ知れぬ迫力を感じた。本書は作品集でなくカメラ機材の技術書なれど、随所に挿入された作品に、私は心を打たれた。やっぱカメラは最高、という思いに浸れる一冊であろうか。機材やテクニックもちろん必要だろうが、著者に垣間見られる哲学の素養も不可欠かなとも、教えられた。感謝。数少ない写真技術書の古典であるがこれからも探求すべきビジョンをまとめた秀著。なお、このほかに二冊の全三冊あり、それぞれネガのこと、プリントのこと、がまとめられている。デジ亀しかやってなかったら画像処理エンジン任せでわかんなくなっちゃう世界の本だから、主としてフィルム派にとって有用か!
記20070927