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映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術

価格: ¥2,700
カテゴリ: 単行本
ブランド: フィルムアート社
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本書の重要性 ★★★★★
 三幕構成の父なんていう人もいるので、構成論者かという印象がありますが。本書でしつこく語るのは状況設定についてであり、主人公の能動性についてであり、つまりは感情移入について語っているのです。感情移入できるか出来ないかはそのおもしろさに大きく関わります。
 後半には情報カードについて、スケジューリングについても語られます。これらはいかに負担なく作り上げるかではないでしょうか。

 私が本書をすすめるのは「面白くするやり方」と「楽に書き上げるやり方」が書かれているからです。
映画マニアだけどシナリオ初心者 ★★★★☆
まず、本書は映画の教本ですから、アメリカの映画の引用が多いわけですが、
同時に、古典的な映画の引用も多いです。
よって先の方のレビューでも書かれていますが、この本を読むにあたり、
まずは映画に関して造詣が深い必要があると思います。

また、本書は大変丁寧に、手取り足取りといった具合に下から上までシナリオの書き方についてレクチャーしてくれます。
これは通常長所でありますが、本書の使い方を間違えると、逆に短所にもなりえます。
というのも、既に他のシナリオ入門や自己流のシナリオ術などに馴れた方が本書のやり方を真に受けると、
かえって混乱の元になるからです。


以上のことから、
以前から『映画の大ファン』で、『これからシナリオを学びたい』といった、
映画マニアだが初心者という方にお勧めします。
いい本、すごく残念な本 ★★★★☆
内容の実用性の高さ、志の高さ、おもしろさは他のレビューどおり。
しかし誤字脱字と、段落の頭1字下げがヌケている箇所があまりに多い。
1字下げがない、二分下げになっている箇所はほぼ毎見開きあるといっていい。
終盤で出現した「フィムルメーカー」にはもう、怒りを通り越して噴いてしまった。
もちろん内容の価値をいささかも減じるものではない、といいたいが、読者に何かを教えようとする本でこの校正の質の低さは、内容に対する信頼性をじゅうぶん削いでしまうレベル。
2010年の3刷を読んでこれだ。重版修正できたはず。内容がいいのでものすごく残念です。きっちりしてください!
実用的・具体的な指導書 ★★★★★
とても具体的で有用な解説がなされている。
キャラクターの性格などは「行動」で示せ。
脚本を書くときは先に「エンディング」を決めろ。
滞りなくストーリーが流れるように、
「発端(状況説明)」「中盤(葛藤)」「結末(解決)」に分け、
転換にはキャラクターの「ドラマ内での欲求」を与えろ。
細かな事柄はカードに思いつくままアイデアを書き色々並べ替えろ。
原作物は、エッセンスを抽出し新作を書くつもりになれ。
続き物は初めて見る人の視点で世界観を示せ。
良い映画とは、シーンを思い出す、ストーリーよりも。
書き切れないくらい、沢山の教訓が載ってますよ。

印象的で的を射たお気に入りの言葉。
「ドラマは葛藤である。
葛藤なしには、アクションは生まれない。
アクションなしにはキャラクターが生まれない。
キャラクターなしにはストーリーは存在しない。
ストーリーがなければ、脚本を書くことができない。」

あとは書き始めてみれば分かる。
映画を「見る」ためにあなたが読まなくてはならない本、なのかもしれません。 ★★★★★
映画を書くためにではなく、映画を「見る」ためにしなくてはならないことがもしあるとしたら(そんなものはないと思うが)、それもこの本を読むことなのではないかと思うくらい実用的です。

いい脚本には、必ず映画を3幕に区切る「プロットポイント1」と「プロットポイント2」があるのだという説明は、すごい汎用性がある。この映画もそう、この映画もそう、と説明されて、この本を読んだ後に映画を見る際には、無意識に「プロットポイント1,2」を探してしまうことになる。

更にこの本は、そういう脚本のパラダイムの説明だけではなく、感情移入できるキャラクター設定の描き方など、映画のストーリーがうまく流れるために不可欠な要素も的確に説明されている。これを読んでいると、いままで漠然と感じていた「いい映画に共通するポイント」のようなものを、はっきり示された気がする。

古典となっていると言われるだけあって、教科書っぽくなくて面白い。他の似たような本とは違います。『キャラクターが歩いて銀行から出てきたら、それで一つのストーリーであり、走って出てきたら、また別のストーリーが始まるのだ』。・・やはりこれは、映画を見るためにあなたが読まなくてはならない本なのかもしれません。