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淀川長治映画ベスト1000

価格: ¥2,520
カテゴリ: 単行本
ブランド: 河出書房新社
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ざっくり1000本 ★★★★☆
1人の手による1000本もの映画の寸評をまとめたものも貴重なら、それが古今東西の映画を見てこられた淀川さんによるものであるのだから、このうえない1冊と言えるでしょう。

しかし、淀川さんが「これぞ」というものを1000本選んだように思うには、ちょっと苦しいです。淀川さんの許可を得て選定を始めたようですが、本人でさえ収拾がつかなくなるであろうことを、他人がやるのですから、アラが出るのもしかたがないのでしょうか。せめて、タイトルだけでも変えてほしいです。

淀川さんの評論は、リアルタイムでは最晩年しか知らないのですが、淀川さんが絶賛されていて、当然ベスト1000に入るであろう作品がいくつも抜け落ちています。淀川さんが絶賛されていたからこそ見ることになり、実際に自分も感動した作品が抜け落ちていてガッカリさせられることが、私に限らずあると思います。逆に、散々批判していた作品が載っていたりもします。寸評を読んでも、依然、何でベストに入ってくるのかがわからないものもありました。

1000にこだわらず、総覧のような方向に発展してくれることを願います。

なお、この増補版で加えられたのは、世界・日本の各オールタイムベスト10の計2ページのみです。
映画ベスト本の究極作品 ★★★★★
 H21.6.7新品をゲット。300字コラムがどんぴしゃで、どのページを開いてもにんまりの映画紹介ベスト本です。2400円はバーゲンですね。まるで映画の百科事典。
稀代の映画批評家淀川長治さんの批評コメントで全編を構成した名作映画辞典 ★★★★★
稀代の映画批評家淀川長治さんの批評コメントで全編を構成した名作映画辞典。選ばれた1000作品をあいうえお順に配列している。1作品ごとに日本語作品名、原語作品名、製作情報、解説と『ハイ淀川です』という300字程度の批評文で構成する。テレビ番組淀川長春の映画の部屋で同僚であった岡田喜一郎が編集している。淀川さん亡き後に公開された作品でも彼が批評したであろう作品をも含めて千作品。本文のはじまりの前のページに、エピグラフとして「映画を頭で見たら、つまらないね。もっと感覚的に見て欲しい。」という著者の言葉が引用されている。映画は、ある面で総合芸術的な枠組みがあり、映像と音で構成される。その感覚的な危うさを、4歳から89年間見続けた幸福さに裏付けられた名言であろう。
彼はフレームをそのものを記憶するかのごとく見方をしておられるのを、テレビ解説の語りで暗示されてのを思い出す。それにしても、情感あふれる語り口は、包容力と短いながら全体を髣髴させる適切な口語表現で、まとめ上げるあの語りの名手振りは活字でも健在。懐かしさが込みあげる。今年は淀川さん生誕百年の由、天国で俳優やシネアストたちを作品鑑賞に浸りながら、ソフトでシャープな批評を語り続けていらっしゃるのであろう。名画を鑑賞するポイントのヒントを最上の語りで読める映画百科事典で、おしゃれな映画ガイドブックである。もちろん索引があり、スティール写真がテーマごとに挿入されている。映画を楽しむための重要な日本語ガイド。
星の数を数える空しさを知るべきだ ★☆☆☆☆
 ブロガーの映画批評には「星幾つ」形式や点数をつけた形式のものが目立つ。もちろん、映画の楽しみ方は人それぞれで、採点する楽しみを否定するつもりはないが、「採点」という行為で停止した思考に、多くの大切なものを捨て去っている現実に気付こう(このレビューも星をつけなければ投稿できないようなので、とりあえず1つとするけれど、これは最低という意味ではなく5つ星をつける力量が私にはまだないからだ)。
 本書は亡くなった淀川長治氏が生涯に鑑賞した膨大な作品の数々から、「たった千本」のみを取り上げる。誰もが知る有名作品からB級映画まで、そしてその全てを僅か20×15の字数で賞賛する圧巻のレビュー集だ。個人的には『がんばれベアーズ』の論評に息が詰まり、頭が下がった。あるいは「名作」「傑作」という言葉の精妙な使い分けに圧倒された。他人に星取表を読ませたいプログ批評家の方々は、最低限この千本を、自分なりに星をつけて観れば良いと思う。そのうえで淀川氏に負けない批評の基準を見出せるなら、その星の数は他人に見せて意味があると言えるだろう。私にはそんな自信はまだまだ持てないが。
「1000」という文字で売りたかったのは分かるが・・ ★★☆☆☆
一作品の分量はおよそ15行×20字。あまりにあまりに短すぎる。編集者は作品数を最低でも半分にすべきだった。淀川さんの批評がいくら優れていたって、こんなに短かったら伝わらない。おまけに、焦点のずれた批評もいくつかある。これは、恐らく編集者がその映画を観ていないためである。

しかも、あたりさわりのない部分ばかりを拾ってきているので、批評の重みは一切ない。どの作品の批評を読んでも大体同じ。褒め言葉しか見当たらない。淀川さんは酷評こそあまりしなかったが、映画を愛するがゆえに批判はした。それが全てではないが、それを含めて淀川さんの映画批評であるはずだ。私は、淀川さんの映画の「見方」が非常に好きだ。でも残念ながら、この本でそれを読むことはできない。

無論、観る映画の参考には殆どならない。褒め言葉ばかり並んだ映画批評がそんなことに役立つわけはない。