しかも、あたりさわりのない部分ばかりを拾ってきているので、批評の重みは一切ない。どの作品の批評を読んでも大体同じ。褒め言葉しか見当たらない。淀川さんは酷評こそあまりしなかったが、映画を愛するがゆえに批判はした。それが全てではないが、それを含めて淀川さんの映画批評であるはずだ。私は、淀川さんの映画の「見方」が非常に好きだ。でも残念ながら、この本でそれを読むことはできない。
無論、観る映画の参考には殆どならない。褒め言葉ばかり並んだ映画批評がそんなことに役立つわけはない。