大魔神を通して日本を観る!?
★★★★★
映画『大魔神』と其のシリーズを通して日本の形を問い直す,或いは其の世界観を読み解くと言う試みが面白い.
同時代に撮影された特撮映画の「ゴジラ」や「ガメラ」と言った怪獣モノと比較しながら,亦は『大魔神』シリーズと併映されていた映画との繋がりから,或いは当時の時代背景や日本神話から受けた影響や関連から,更には其の受けた影響は日本だけに及ばずユダヤ人の“ゴーレム伝承”から,様々なアプローチで『大魔神』を通して其の映画の世界観を再現する試みが観られます.
そう言った,映画の世界観だけでなく,或いは映画の世界観を読み解いて行く上で,日本のもう一つ別の村風景,稲作や養蚕と言ったモノでは無い風景がある事や,アマテラス的なモノではなくスサノヲ的なモノ,日本の神々の原形と言った処に及んでいる事が,更に更に読み進めさせる動機になっているのかもしれません.
すんなり楽しんで読めました.
其れにしてもである.筒井康隆がシナリオを書いたと言う幻の第四作.実現して欲しかった.そして観てみたかった.