大みそかの午前0時きっかりに、ラスベガスのカジノを襲撃しようとするオーシャン（フランク・シナトラ）と、かつて彼の戦友でもあった仲間たち（ディーン・マーティン、サミー・デイヴィス・ジュニアほか）の姿を描いたピカレスク・ロマン。名匠ルイス・マイルストン監督の切れ味が冴える快作である。後にスティーヴン・ソダーバーグ監督がジョージ・クルーニーほかでリメイク『オーシャンズ11』を製作したので、見比べるのも面白い。オリジナルの方がシンプルだが、その分男たちの何ともゴージャスで粋な心意気が感じられてならないのは、やはりアメリカ・エンタテイナー黄金時代の象徴シナトラ一家総出演なればこその貫禄だろう。なお、劇場公開時のタイトルは『オーシャンと十一人の仲間』。（的田也寸志）