ザ・ブループリント2:ザ・ギフト&ザ・カース
価格: ¥2,940
ヒップ・ホップの恥ずべき小さな秘密を知りたいだろうか? それならラップの偉大なヒーローたちが引き合いにしてきた、じっくりと聴かせる忘れがたき2枚組アルバム、2パックの『All Eyez on Me』やウータン・クランの『Wu-Tang Forever』を持ち出すまでもなく、本作を聴けばいい。
『Blueprint』の続編である本作で、ジェイはデスティニー・チャイルドのビヨンセと「03 Bonnie & Clyde」でタッグを組み、2パックの「Me and My Girlfriend」のそこそこの出来のリメイクを作り上げた。ドクター・ドレーがプロデュースとリミックスを手がけラキムをフィーチャーした「The Watcher」では、オーディエンスを広げる一方で、ジェイは自らの人口学的な経験則からイースト・コーストのけんかっ早い若者たちにアピールすることへの興味を見せている。ディスク1を締めくくる「I Did It My Way」では、ポール・アンカのヴァージョンの「My Way」をサンプリングし、ラップ仲間(カリーム・ブルーク、デイム・ダシュ)とかつての不良少年たち(フランク・シナトラ、サミー・デイビィスJr.、マーティン・ディーン)を対等に扱っている。より強力なディスク2にはうれしい驚きが待っている。レニー・クラヴィッツが大口を叩いて焚きつける「Guns and Roses」が心を浮き立たせ、ジェルー・ザ・ダマジャ風の「Bitches and Sisters」では確信犯的に女嫌いへの非難を巻き起こしている。
結局のところ、ジェイが暴れ回るにはディスク1の11曲でも十分すぎるほどであり、まして25曲もあればなおさらだ。(Dalton Higgins ,Amazon.com)