実は・・・
★★★★★
ゲーム解説部分も詳しいけど,アーケードの稼働筐体がなくなった今,はっきり言って無意味である。
サターン版とか32X版など家庭用機に応用できる部分はあるかも。PS2版? ( ゚Д゚)ハァ?
それよりもこの本の秀逸なところはゲーム解説の間のコラムやインタビュー,開発秘話などにある。
特に90年代に10〜20代後半ぐらいだった者は,郷愁を禁じ得ないだろう。
若かりし頃のスチャダラバーのBOZEがアストロシティとともに1枚画の中に収まっているなんて・・・そして足下にはスーファミ。
ポンキッキーズバンザイと言わざるを得ない。
その他の出演者も豪華だ。達人と呼ばれキャラの名を冠された名プレーヤーたちのみならず,
プロレスラーや外国人DJ, 養老孟司まで出てくるのにはまいった。
当時のCGやゲーム事情にも詳しい。ローグやポンといった黎明期のゲームから,当時最先端だったデイトナUSAまで,
ゲームアーカイブス? なにそれ? という勢いでなつかしさが込み上げてくる。
本物だけが呼び起こせる感情だ。
我々がいつかもう一度,サターンの名作たちの勇姿を拝める日は来るのだろうか。嗚呼。
話がそれたが,現実とデジタルの融合に関するいくつかの文章も読み応えがある。
たしかに,文章それ自体は,いささか荒削りな面もある。
しかし「バーチャファイター(2)」という当時の技術レベルを遥かに凌駕する存在に,
15年(!)前のクリエイター/プレイヤーたちがいかに相対していたかを知ることは,
HD画質が普及し,3D時代がすぐそこまでせまった今だからこそ,大きな意味を持つことなのではないかと思う。
ここまで読んでしまったなら,さっさとこの本とサターン,バーチャを揃えて友達を呼んで朝まで対戦してください。
15年前のように。
バーチャファイター2
セガ サターン 本体 ミストグレ