本書の中で「野球選手は肉体よりも精神面の方がはるかに大切だ」、「野球の90%以上はメンタルな要素が占めている」という言葉が出てくる。本書は実力を発揮するためにメンタルトレーニングが不可欠という視点で書かれており、実力がなければ如何にメンタルトレーニングを実施しても効果は低いとも理解できる。
しかし、大きな目標を達成するためのプロセス、感情のコントロール法についてもまとめられており、ビジネスの現場でも充分活用できる内容です。野球ファンだけでなく、ビジネスで自分の実力を充分に発揮できていない方、これから実力を付けていきたいという意識のある方にお薦めいたします。メジャーリーガーの様々な事例が出てくるので、とても分かりやすい内容になっています。
「自信さえあれば負けやしない。ピッチングの90%は精神的なものだから、心に自信が溢れていれば、いいボールを投げられるものだ。略-メジャーは心でするものだから、自信では絶対にバッターに負けてはいけない。」
また、この本の長所として、野球のみならず他のスポーツ、さらには実生活にまで応用ができるという点があげられる。仕事における不安解消などにも役立てることができるのではないだろうか。また、訳者の白石豊氏自身、名のあるメンタルトレーナーということもあるからなのだろうか。本文中の内容も比較的すんなりと頭に入り、理解しやすい。
本書は試合だけでなく、練習や生活における姿勢を改善、向上させる上で十分に有効なものであると思う。