音楽のような素敵なえほん。
★★★★☆
おはなしは、とてもシンプルなんですが、なんだか音楽を聴いてるような素敵な気持ちになります。CDにはオーケストラの音楽も入っていて、想像力がそだちそう。
素晴らしい日本の幻想小説
★★★★★
「われわれの時代のような、実利主義に衰弱させられた<頽廃と変遷>の時代には、ある人たちにとって、幻想的なものは信仰に代わるものとなる。」1965年版「現代フランス幻想小説」の編者マルセル・シュネデールの言葉です。我々の現在生きている二十一世紀、それはまさに時間と金で出来ている時代です。全てはこのふたつの計量器にかけられ、人も人生も意味も価値も全てがこのふたつの数字で計ることが出来るように錯覚されている時代。その中にあってこの幻想の世界ぐらい「癒し」と呼ばれる現代日本の庶民信仰に近いものはないんじゃないんでしょうか?
この大塚勇三という1921年中国安東に生まれ、東京大学法学部を卒業後、主にドイツ、北欧などの文学作品を翻訳研究した作家の文と、丸木俊という女性画家の絵の素晴らしい夢のような二重奏がこのシュネデールの言葉をそっくり120%実証しています。1964年2月1日発行。福音館書店。シュネデールの本より1年先に日本にこのような洗練されたこどもの絵本があった事を誇りに思います。物語からジュール・シュペルヴィエル「沖の娘」のような海の香りと音楽が漂います。美しい幻想の世界にあなたの大切な人と一緒に旅をしてください。
心が優しい気持ちになります
★★★★☆
私は多読のために、(簡単な英語での)英語版を読みました。
なかなかの感動ものです。船乗りたちが毎日仕事が終わると演奏会を始めます。
それを楽しみにしている海の生物たちの心のふれあいの物語です。
だけど、ある日嵐にあい船は沈没の危機にさらされます。
そこで海の生物たちが現れ助けてくれる話です。
最後のシーンには感動しました。
犬好きには悪い人はいない、と言いますが、
生き物を愛することができる人間だからこそ、
このように心が優しい気持ちになれるんだと思います。