「アンシリーズ」の二作目、「アンの青春」。
だいぶモンゴメリーらしさが出てきています。
都会にはない、田舎に暮らしているからこそわかる
村とそこに住む人の空気みたいなものが伝わってきます。
かなり昔の話しではありますが
今の女性が読んでも、
「ある!ある!」という部分がたくさんありますよ!
この松本侑子さんの訳は、松本さんが様々な観点から『アン』に取り組み、文献やインターネットまで駆使して時代背景からモンゴメリの生涯までを徹底的にサーチされただけあって、とても充実した訳になっています。
この『アンの青春』ではアンも年頃、すっかり娘らしくなったアンが文章からうかがえます。くせのある村岡さんの訳も好きですが、このみずみずしい言葉で語られる松本さんの『アン』も、私は好きになりました。
装丁もクラシカルで素敵な『アン』の世界を醸し出しています。巻末には文学引用を解説した訳者ノートも収録されていて、松本さんと共に『アン』を極めたい方にはぜひとも読んでいただきたいです。