1950~60年代、ニューヨーク。今とは違って、まだ格式が重んじられ、上流階級には上流階級の作法があったころ。
上流社会の象徴、庶民のあこがれのプラザホテルの最上階に、ひとりのやんちゃな女の子が住んでいた。エロイーズは6歳。ママは超大金持ちで、社交界のスター。世界を飛び回っていて、ほとんど会えない。最高級のスイートルームに、イギリス人のばあやつきで住んでいる。ルームサービスのオーダーなんてお手のもの、勉強は家庭教師と、遊びはホテル内の探検。
ホテルの荘重な雰囲気、いんぎんな支配人、割腹のいいボーイ、豪華な調度品、洗練されたお客さん、VIPのパーティー。エロイーズにかかるとみんなおもちゃになってしまう。大人の世界にまぎれこんだ小粋な子悪魔は、おしゃまな口を利き、自由奔放に振る舞う。かわいくて、ちょっとまぬけな幼児体型だけれど、気持ちは一人前の都会の女性なのだ。
半世紀にわたってアメリカの少女たち、そして若い女性たちを魅了してきたエロイーズ。なつかしい50年代のファッションやスタイルも、目に楽しい。クラシカルなタッチと、動画的な誇張のバランスが絶妙なペン画が、スタイリッシュでおしゃれだ。この絵が「エロイーズ」に命を吹き込んでいる。
孤独とひきかえの自由を、華やかな舞台の上で思いっきり謳歌する主人公は、大スターだった作者の分身。巻末には作者とその時代が、多くの写真とともに紹介されている。(翁 ゆり)
面白いが・・・
★★★☆☆
教訓も感動もありません。
もう読まないと思います。
品行方正でないお嬢様
★★★★★
頭ボサボサでお世辞にも品がいいとは言えないエロイーズ。これでもプラザホテルの最上階に住むお嬢様である。ルームサービスは使い放題。高級ホテルの中が遊び場。ワルイいたずら大好き。
エロイーズの小太りの腹。部屋の散らかり具合。
続編も3冊あるがこの1話目がもっとも秀作だと思う。
最高のニューヨーカー
★★★★★
いたずらっ子エロイーズはニューヨークのマスコットとは言えるでしょう。作者とイラストレーターは絶妙な言葉と生き生きした線で、エロイーズの可愛らしさを語ってくれた。英語で読むのがお勧め。今ニューヨークのプラザ・ホテルの中でもエロイーズの絵が飾ってあります。
リッチな国のリッチな少女のお話
★★★☆☆
誰からもしかられない環境にあるハイソの少女の物語。少女はナニー付きで、ニューヨークのプラザホテルに暮らしている。食事はルームサービスで、何不自由ない日々。ただ、父親はいないよう。母親は、ビジネスウーマンで世界中を飛び回って不在。6歳にして、この少女は立派にホテルの部屋の主役を務めている。少女がポジティブにホテル生活を楽しんでいる所が、痛快!つまり、悪戯のやり放題。その悪戯が、小気味いい。