もともとは1冊で終わるはずのお話が、後日談を全国の読者から寄せられて、シリーズ化されたその第1弾。1994年の発売後、講談社出版文化賞絵本賞、産経児童出版文化賞JR賞を受賞したのを皮切りに、舞台化、イタリア語版の発行、ビデオ紙芝居の発売とその反響はとどまるところを知らず、2000年には小学校4年生の国語の教科書に採用されている。
生き生きと描かれた絵に、読み聞かせに最適なテンポのいい短い文章。かみ合わないようでかみ合った会話、ばれそうでばれない展開は、読み聞かせているはずの大人をもとりこにするはず。大人も子どもも続きを考えずにはいられない1冊である。(小山由絵)