スコットランド出身の“音の匠”たちによる2枚目のアルバム。5年の年月をかけて創り上げた緻密な音世界とセンチメンタルなメロディが融合、しっとりと心を揺さぶる名盤に仕上げている。その完璧なサウンドメイキングゆえにスティーリー・ダンやアラン・パーソンズ・プロジェクトとも比較される彼らだが、ブリティッシュであるがゆえのウェットな感性が際立っており、その存在感とロマンティシズムは唯一無比のものだ。本作から7年後に『ピース・アット・ラ スト』でシンプルな音楽性に進む彼らだが、本作のモザイクのように入り組んだアレンジも秀逸。（山崎智之）