何かおさがしですか? いっしょにさがしますよ
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「ねえ、羊子、本をさがしてほしいんだけど。」
羊子は、もう少しで死んでしまうおばあちゃんに、内緒で本探しを頼まれた。どこの本屋を探しても、その本は見つからない。そう、おばあちゃんに説明しても、無いはずがない、ちゃんと探せと、キツイ言い方ばかりしてくる。でも、そのキツイ言葉には、おばあちゃんの思いが込められていた。おばあちゃんの思いとは?羊子は、おばあちゃんが死ぬまでに本を探し出すことができるのか。
作品の中には、納得のいかない部分もありました。おばあちゃんはみんなに世話をしてもらっているのに、厳しいことばかり言っていたことです。しかし、おばあちゃんの言った「できごとをよりも考えることの方が何倍もこわい」という言葉に感心し、共感してしまいました。確かに、死ぬことよりも、死ぬことを想像することの方が怖いと思いました。
読んでいくうちに、本は見つかるのか、どうしておばあちゃんはそんなに、死ぬ前にその本を読みたかったのか、などの疑問がどんどん出てきて、その疑問の答えがゆっくりと解けてくる、そんな本で、つい入り込んでしまいます。そんな本に出会いたい人は、ぜひ、読んでみて下さい。(りの)