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NO.6♯1 (講談社文庫)

価格: ¥500
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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「歌や物語で人は救えない」とネズミは言うけれど ★★★★★
言葉だけが想いを人の心に届かせるものであり、その言葉が、閉じていた目を開き、前へ進ませる力を与えてくれることも多々ある。
言葉が心に食い込んでくるような小説も、ページを繰る手が止まらないほど展開の面白い小説も世の中にはあるけど、どちらも兼ね備えた小説はそれほど多くない、と思う。「No.6」は私にとってそんな貴重な作品の一つ。
シリーズを通して心に残った言葉はいくつもあるが、この本に出会えてよかったと思わせてくれたのが2巻でのネズミの台詞。
「言葉ってのはな、あんたみたいに軽々しく使っちゃいけないんだよ。押し付けられて平気でいては、だめなんだ」

性的な描写をメインにした商業目的の作品が多い中、同性愛に近い関係ということでアレルギーを起こす方もいるかと思うが、それらの他の作品と同じと思って読むと、この物語や二人の関係の本質を見誤る。
相反する二つの個が「対等」に向かいあい、本気でぶつかりあって深く結びついていく様を描くには、同年代の同性がもっとも適しているのではないだろうか。
そもそも、人が人に惹かれるのに必ずしも性的な意味を含んでいるわけでもない。

とはいえ、作者が少年同士の微妙な距離感を楽しんで書いているっぽいのはたしか。同性愛は罪でもなんでもないと思うが、きっと聖都市No.6では許されないのだろうな。
ネズミ 本当の鼠? ★★★★★
最初に「ネズミ」がでてきたとき、本当の「鼠」?人間?
どっちだろう?と思いました。

読み進んでいき、小型ロボットのネズミと、ネズミという名前の人間の両方をネズミと呼べるかもしれないと思いました。

管理社会から逃れようというのは、人間の本能なのだろう。
管理社会を守る側の人間の弱さが感じられませんでした。
管理社会を守る側の人間には、人間の弱さがあるのだろうと思われます。

著者の意図が、#1を読んだだけではわかりませんでした。
設定の意図などは理解できたので、#2以降も呼んでみようと思いました。


竹宮惠子の『地球へ・・・』にしか見えない・・・ ★★★☆☆
あさのあつこの時代小説があまりに面白かったので
つい手に取ってしまった一冊。小道具などは
イマドキのSF小説なのかもしれないが、
アラフォーの身としては、物語構造が30年前のSFマンガの名作
竹宮惠子の『地球へ・・・』の冒頭にしか見えない。
(公園という舞台や同性愛的趣向・管理社会の設定も同様)

ティーン向けの閉塞社会からのドロップアウト、そして
それへの反抗・解放という鉄壁の神話を、
現代風の若者の悩む姿と読み易い文章で
再現させているという意味では売れる作品ではあるだろう。
近未来パラレルワールドの傑作 ★★★★★
もともと近未来的な小説が好きな自分ですが、
この作品はドンピシャでした。
ただ、本屋で少しパラパラと捲っただけのつもりが
のめり込んでしまい、すぐに1巻を読破しました。
まるで映画を見ているような小説です。

生きると決めたなら前に進むしかない ★★★★★
何度も重ねて勧められ、試しに一巻を読んでみた。
これはまずい。続きが気になる。残りも一気に読みたい。面白かった。
従順で優等な自然。しかし、人もまた自然の一部であり、自然を身のうちに飼っている。その自然は、果たして従順で優等でばかりいるだろうか。
理想の都市ははりぼてだった。環境だけではなく情報も統制されている。猜疑心を持ち、忠誠を誓えなくなったとき、都市から排除される。少年たちは、ここからどこに行き、何を見るのか。何を壊し、何を掴むのか。生き延びることはできるのだろうか。
残酷で傲慢な現実に肉薄してなお、希望を描く物語を書きたいという、作者の意気に期待する。