ラップ界のセンセーションを巻き起こしたエミネムを徹底追跡、2001年のヨーロッパツアーを追い、彼の舞台裏での姿をカメラに収めた。D12もゲスト参加。ハンブルグ、オスロ、アムステルダム、ブリュッセル、パリ、マンチェスター、ロンドンなどの都市を巡る間に、カメラの前で過激な話題を繰り出す。映像のほとんどは、ハンディカメラで撮影されたもので、バックステージにも進入、そこに集まる仲間たちを映し出す。酒に酔い、ハイになった彼らの姿や、観客が誰もいない空っぽなスタジアムでリハーサルをする光景、そして大興奮の観衆の前で繰り広げるパフォーマンスまで、すべてを収めた。エミネムがパンツを下ろすシーンまで2度とらえている。
   エンターテインメントとして楽しめる作品ではあるが、深い内容があるとは言えない。『ザ・スリム・シェイディ・ショウ』についてのインタビューが所々に挿入されるが、目新しい内容ではないし、エミネム自身がインタビューに飽きてしまっているようにさえ見える。ダイドの『スタン』にエミネムが影響を与えたように、ダイドもエミネムをサポートしている。全体的に元気のない今作品に彩りを加えているのは、ライブ映像だ。マリリン・マンソンを迎えた「ザ・ウェイ・アイ・アム」、ダイドと一緒の「スタン」を始め「アイム・バック」や「デヴィルズ・ナイト」、「ザ・リアル・スリム・シェイディ」などを収録。D12のパフォーマンスとのパフォーマンスは、エミネムが才能のあるパフォーマーであり、影響力のあるラッパーであることを確実に証明している。（Paul Sullivan, Amazon.com）