ひらがな達と仲良くなれる作品
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本の中の、ひらがなが、しゃべったり、うごいたりするユニークな作品。
「は」の文字が、自分は「ハ」とよばれたり「ワ」とよばれたりして
いちばん大変なんだ、と言い出した事がきっかけで、他の文字も
次々に自分の意見を主張しケンカになります。文字同士がぶつかったり、
ひっくりかえったり、こぶをつくったりと本の中は大混乱。
例えば「が」の濁点がとれて「か」になったり、「き」の横棒がはずれ「さ」
になったりして、文の内容まで変わってしまい、笑いをさそいます。
そんな、ひらがなワールドを3編も味わえるのがうれしい。
文字を習いたての子どもたちはもちろん、外国人も楽しんで欲しい作品です。
アルファベットや漢字など各国語バージョンもできそうですね。
ボクは今インドにいますが、ヒンズー語の形もおもしろいですよ。
文字たちが話したり動いたりする世界を描いた絵本で、思い出したのは
「ぜつぼうの濁点/原田宗典 」こちらは、どちらかと言えば大人向け。
文字のかたちや音に敏感な、ひらがな覚えたて世代におすすめ!
★★★★★
小学3年生と5才の息子が声を立てて大笑いして読みました。
大人はにやりという感じでしょうか。
文字の形や音に敏感なこの時期にぴったりのお話です。
夜中に文字がケンカして、ひっくり返ったり、たんこぶができたり、
棒がけとばされたりで、本の詩の内容がめちゃくちゃになってしまうお話
(毎日新聞小さな童話大賞受賞)や、
ジュースをこぼされた本の文字が食べられて危機一髪になるお話、
みんな知ってる「へのへのもへじ」のらくがきにまつわるお話の3話収録。
文字のかたちのちょっとの違いが大違いになってしまうところが面白い!
(くまのプ−さん→へまのプーさん)
松谷みよ子さんや中川李枝子さんを思わせるような優しい大人の女性の
語り口がまたいいです。
言葉のリズムがよくて、声にだして読みやすい。
ぜひお母さんがお子さんに読み聞かせて欲しいな。
そうすれば、子どもは頭の中で文字を躍らせて、大笑いすることうけあいです。