発想自体は悪くないが
★★★☆☆
数学の検定教科書には,
・入試レベルとの差がある
・指導要領のため,内容に上限がある
・I, II, III, A, B, Cの区切りで接続が悪い
・高校生以外の入手が難しい
・解答が不親切で,数学が苦手な人は,独力では身に付かない(教科書ガイドで解決可)
などの欠点があります。本書では,以上のうち,上の4つが解決されています。
指導要領にとらわれずに単元の仕分けを行い直し,入試レベルとの接続を良くしていますし,一般に売られているため誰にでも購入できます。
これで解答が親切ならば文句はないのですが,解説が不親切なのが本書の最大の欠点です。問にいたっては,解答すら無いですし,教科書ガイドも発行されていません。これでは,大多数の人にとって,独習は非常に難しいです。
以上のことから,身近に解説してくれる人がいる場合,および問の解説が無くても独習できる自信のある人には良いかもしれませんが,数学が本当に苦手だという方は,本書よりも,市販の基礎レベルの参考書をオススメします。
なお,本書の範囲は,数列,微分法(数IIレベル),積分法(数IIレベル),ベクトル,行列となっており,第1巻から本書のベクトルまでを終えれば,文系受験で必要な内容の学習がちょうど終わるようになっています。