あえて、この評価。
★☆☆☆☆
あまりにも本書が手放しで推薦されているので、
こういう意見もあるよ、という意味で星は一つとさせていただきました。
まず、アメコミを買うのが本書が初、もしくはノーラン版バットマン等
最近のアメコミ映画化作品が好きだから本書を買おうとしている方へ。
アトム、フラッシュ、ワンダーウーマン、グリーンランタン、グリーンアロー、
キャプテンマーベル、プラスティックマン、レックス・ルーサー、ブレイアニック
ってご存知でしょうか?実はこれ、本書に登場する(あちらの国では大人気の)
スーパーヒーローや大御所悪役達なんです。これ全部知ってる人って日本で何人いるのでしょうか?
上記のヒーロー達は本書の中で、読者は当然知っているという前提で
平然とストーリーにからんできますし、それぞれ重要な役割を担う脇役として登場します。しかし
このヒーロー達に関する一般の日本人向けの解説は、三つ折りの小さな付録(というよりチラシ?)にちょろっと記載があるのみ。少なくともアメコミ初心者が読んで理解し、
面白く感じるとはとても思えません。
アメコミの文化的背景、キャラクターを知っているアメリカの人たちや
日本の熱心なアメコミファンなら確かにこの本書はアメコミ史上屈指の名作でしょう。しかし、
アメコミに馴染みのない日本人にとっては「よくわからんオッサン臭いキャラが出てくる大して
面白くないマンガ」という評価になっても何ら不思議はありません。例えて言うなら
アメリカの人に、キテレツとドラえもんとサザエさんの登場人物全員がごっちゃになって
出てくるパロディ漫画をいきなり読ませるようなものです。理解できるはずがありません。
逆に上記のヒーロー達が全部わかるという日本の熱心なファンの方であれば
とっくに原書で読んでいるはずなのではないでしょうか?
僕自身アメコミはとても大好きで、本書のオリジナル版はすりきれるくらい読んでいます。
しかし、はじめてアメコミを読む一般の日本人にとって、いきなり本書をすすめる事は
できません。「よく分からない上に面白くないもの」というイメージをアメコミに持ってほしくは
ないからです。本書は間違いなく名作です。しかしそれ故にアメコミの入門書ではありません。
それでも欲しいという方なら、一度実際に本を手にとって読んでみる事をおすすめします。
この名作に星ひとつなんかつけたらアメコミファンから総叩きをくらうだろうなぁと
半ばあきらめつつレビューを終わります(笑
おやぢヒーロー大活躍
★★★★★
本作でバットマンをはじめスーパーマンなどアメコミヒーローが大集合して活躍する姿が描かれていますが、日本のマンガの感覚で本書を手にした人はびっくりするでしょう。
50歳を超えて心臓に爆弾を抱えるバットマンの姿は、お世辞にもかっこよくは描かれておらず、帰っておいてなお、悪に立ち向かい、自分の信念を貫こうとする姿は胸を打つものがあります。
とてもヘビーな内容で読み応えも十分です。
確かに定価は、専門書でもないことを考えるときわめて高く、買うのに躊躇してしまいます。70ページを超える資料を含む500ページほどのボリューム、全編カラーであること、翻訳の手間を考えると、高くなる理由も分かりますが。
どうしても安く済ませたい人は、原書を購入するという手もあります。
アメコミを根底からくつがえした作品
★★★★☆
舞台は近未来。年老いて引退していたバットマンが、再び犯罪者と戦う為に戻ってきた!しかし彼の自警行為を快く思っていないマスコミや政府はバットマンを危険視する。そしてついに、政府の犬になっていたスーパーマンとバットマンが激突!
「ダークナイト・リターンズ」は「ウォッチメン」と並んでアメコミを根底から変えてしまった作品です。単に超能力やすごい武器を持ったヒーローが悪漢をやっつけるだけの話は、これ以降書けなくなったんです。悪漢にだって悪漢なりの主張があるかもしれないし、ヒーローが絶対正しいかといって、一度もミスを犯さない人間なんているわけない。そんな当たり前だけど、ヒーローコミックスがけっこう無視してきたことが一気に問題として取り上げられるようになった。と、昔発行してたマーヴルクロスに書いてました。うん、まあそうだよね。単純な勧善懲悪ではなく「ヒーローとは?正義とは?」って掘り下げた作品です。
骨太の絵は見ごたえ抜群ですが好き嫌いが分かれる絵ではあると思います。蛇足ですがそういう意味では小プロ的には新たなアメコミ読者を獲得するためにもう少し受け入れやすい絵で、さらに本筋の流れも入ってる作品を出すべきやったと思います。本作収録の「ダークナイト・リターンズ」「ダークナイト・ストライクス・アゲイン」はこれだけで完結してる話ですからね。
ただ、”バットマンの最後の戦い”を描いた作品ですので、重要エピソードってのは間違いないです!
ストライクスアゲイン
★★★★★
DKRの見所は色々あるけれど、やはり目玉はスーパーマンとバットマンの二大対決でしょう。
アメコミにおいて、ヒーローとヒーローが戦う事は珍しくないけれど、この二人のそれはやはり一線を画しています。
自分定めたのルールだけに従って、老体に鞭打ち暴れ回るバットマンと、
その気になれば何でも出来るのに、私利私欲を持たず懸命に世界を守ろうとするスーパーマンという、
価値観の違う二人の物言わぬ心の交流は感動的。
もちろん、おなじみの人物やヴィラン達も登場する。なかでもジョーカーの一連のエピソードは壮絶。
フランク・ミラーのペンのタッチは彼ら老いた登場人物の魅力を十分に表現してくれます。
そして、同時収録のストライクスアゲイン。
絵柄に関しては、掲載されている下書きを見るに、フランク・ミラーのタッチ自体はそれほど変わっていません。インカーの方が大胆に絵柄を変えています。
最初は前作からの変化に驚きます。が、とっつきにくい反面、こちらの方がより心に衝撃を与えられます。
むしろ前作以降のシリアス路線に慣れている現代の読者にとってはこちらの方が印象に残るかもしれない。
戦いに子供を巻き込み、メトロポリスを平然と見捨てるバットマンは、
道徳に反しているというフラッシュの非難に「今までのやり方が間違っていた」とヒーロー活動を半ば否定して見せます。
従来の市民に仕えるヒーローとしてのスーパーマンは徐々に追い込まれていき、
蹂躙されるJSAに代わって登場したスーパーマンの娘ラーラは、圧倒的な力を誇り人類を見下します。
ヒーロー達はそれぞれ意見を持ち、誰が正しくて誰が間違っているのか、それは読者にも一概に判断できません。
スーパーマンはバットマンに感化されて変わっていきますが、偽ジョーカーのようにバットマンについていけず振り落とされた者もいます。
物語としてきれいにまとまっているDKRと混沌としたDK2。未読の方は同時に楽しめる一冊を是非読んでみては。
これは贅沢!
★★★★★
ダークナイトリターンズとストライクアゲインの合本、これは贅沢。
500ページ超えるのに本が軽いのもいいです。
アメコミ好き、特にバットマンの概要を知っている人には文句なくお薦め。
評判がいいから読んでみようという方は覚悟して読んでください。
これはアメコミが行きつく到達点で、バットマンやスーパーマンは社会にとってどういう存在なのか、それは社会や時代にどう影響を及ぼし合うのかということの一つの見解です。
普通にエンターテインメントとして読んだら面食らうことでしょう。
そして、味があるフランク・ミラーの画は、日本のマンガに見慣れている人にとっては超下手と映ることでしょう。
あとDCコミックのキャラがちょろちょろ出てくるので、知識がないとわからなくてちょっと辛いと思います。
私はこのシリーズはとても好きで、前に出版された2冊を持っていても、またこの本を買いました。そして大変満足しています。
早くて丁寧
★★★★★
注文から到着まで迅速でした。
商品をきれいに梱包してあり、丁寧な扱いに満足です。
本なのでどこで注文しても値段は同じですが、速さと梱包に
ショップの差が出ますね。