バットマン誕生
★★★★★
イヤーワンの邦訳出版はこれで三回目でしたでしょうか?人気作だけありますね。
物語は偶然にも同じ時期に、腐敗した街にゴッサムにやってきたゴードンとブルースが、
いかにして悪に立ち向かっていくかという様を描いたもの。単純な勧善懲悪でなく、社会派として面も持っています。
バットマンのオリジン・実質的な第一話なので、当然ながら、初めてでもすんなり読めます。
フランク・ミラーによる、ブルースとゴードン、悩める正義の男を並行に書くストーリーテーリングは絶妙です。多用されるモノローグもかっこいい。
また、アートを担当するデビット・マッズケリは省略するべき所と細かく描写するべき所の取捨選択が非常にうまい人で、
日本人にも抵抗なく読めるいい意味で漫画らしい画です。現在はヒーローコミックから離れていますが…
イヤーツーは90年代のファンには嬉しいチョイスでしょう。邦訳が途中でストップしていたので。
バットマンと似た過去を持つリーパー、バットマンの両親を殺したジョー・チル、慈善活動家のレイチェルといった人物が複雑に絡むというもの。
彩色のせいもあるのでしょうが、イヤーワンの後の話なのにイヤーワンより古臭く見えます(笑)
地味な印象もありますが、両親の仇に激昂し銃をつきつけるバットマンなど、ショッキングなシーンも。
日本でも有名なトッド・マクファーレンがアートを一部担当しています。
イヤーワン
★★★★★
イヤーワンを日本語で読みたくて購入しました。
まだバットマンファンになって日の浅い私ですが、このイヤーワンはいいです
イヤーワンというのは正確に言えば、ブルースがバットマンとして活動を始めた一年目であると同時に
ゴードンがゴッサムシティに配属された一年目でもあるわけです。
正義を担う二人の試行錯誤や葛藤を軸に描いた物語は非常に面白く、
同時にバットマンビギンズのモデルになっただけの理由はあるのだな、とも思いました。
この本はバットマンファンやアメコミに興味のある人には広く読んでもらいたいですねヽ('ー`)ノ
いわゆるマニア向け
★★★☆☆
イヤーワンはビギンズ公開時に発売されたものとほとんど変わっていません。
変更点としては、各チャプター巻頭の言葉とタイトルが日本語に直されています。あと人物によって台詞のフォントを変えています。それくらいです。巻末資料も無いです。
今は絶版になっていますのでそのとき買い逃した人向けのタイトルでしょう。冒頭からの気合の入った構成、ゴードンとブルースを交互に演出するコマは見事です。
イヤーワンはブルースとゴードン、特にゴードンの内面を深く描いて見せた傑作といえると思います。
それに比べて十年以上前、翻訳された雑誌が連載途中で休刊になったイヤーツーは…十年前のリベンジとでもいいましょうか、その頃読んでて続きが読めなかった人たちに向けての
サービスというか需要が多かったんだと思われます。実際気になるところで終わってますし。しかし続きを読むと、イヤーワンとどうしても比べてしまって
のっぺりとした印象です。ライターも「イヤーワンは特に意識しなかった」だけあって、ニール・アダムスが描いていた頃のような、普通のかっこいいバットマンが普通にアクションして
人物もたくさん出てきてどうも実験作というより自分の描きたかったバットマンを前面に押し出している気がします。ただライターが編集部ともめて途中から降板したのでそのせいもあるでしょう。
そしてイヤーツーが終わった四年後にフル・サークル(大団円)でもう一回イヤーツーのその後の話を描くくらいの気合の入りようです。後付設定ばかりですけど。
しかしバットマンの銃に対する葛藤、両親への思い、新米ながらのリーパーという壁、ジョー・チルに対する錯綜した感情はよく伝わってきました。
このイヤーツーはバットマンのアニメ映画「マスク・オブ・ファンタズム」の原案になっており、レイチェルという女性の名前だけビギンズに受け継がれたそうです。
結構探してしまった
★★★★★
バットマン1年目、2年目が描かれているため、この本から読み始めたい。
他のバットマンの本も何冊か購入しましたが、これが一番手間取りました。
在庫希少になっているようです。
興味のある人は、早めに探した方がいいかも。