改訂版を希望
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字体について、きちんと挙げてあるので、出版業界人必須の辞典だと思います。最近、常用漢字が改定されたので、早急な改訂版を希望します。
現代の日本での漢字の読み・意味・使い方が一目で分かる
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漢字字典・国語辞典と小学校から辞書に触れはじめ、いろいろな漢字や言葉を覚える時期、教育漢字を超えた「漢字をもっと知りたい」という欲求に従来の漢和辞典は難解過ぎた。中国の読みや四角号馬など予備知識のない小中学生にはチンプンカンプンで、熟語も漢文を中心としていて普段全く使わない熟語ばかり掲載されていて???の連発だった。
この辞典は「漢字字典」だが、日本の現代の言葉(2000年代)に対応した親しみやすい熟語を盛りだくさんに掲載。人名や苗字等も熟語として掲載されていたり、これは旧字体なのか?別の文字なのか?という微妙な異字体や誤字さえも細かく掲載されていいて、「そうだったのか」という発見も多く経験できます。漢字も生き物で活字や書体によって見え方が変わってきたりするもの。それについても考慮された異字体掲載は納得の編集だと思います。
実際に書籍や雑誌の編集者や執筆者・専門用語にいたるまで、どんな意味なのか?どう書くのか?何が正しいのか?どんなバリエーションなのか?に的確に応えてくれる。長く使える辞書です。
例えば吉野家の「吉(上の棒が短い)」の文字も親字の吉の隣に同じ大きさで併記し、解説には、固有名詞には「吉(上の棒が短い)」が使われてて例として吉田茂や吉野家などが書かれていたのはいかにも現代日本風の編集で嬉しかったです。そのほか、難読漢字や珍しい文字ばかり集めた漢字サイトにも掲載されていた読み方の正しい読み方や意味などが明確に分かりワクワクします。
読み物として暇つぶしでも楽しい漢字の本。インターネットではなかなか情報も断片的で信用度も低く安心できないところがありますが、これは辞書なので当然ながら安心して意味を信用できる内容。きちんと学習できます。
日本人にとって役立つ漢字辞典
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漢字の読みを調べるだけなら、3,000円程度の小型版漢和辞典で十分こと足りる。しかし、従来の漢和辞典は漢文を学ぶための辞典であるため、用例として載せられている「その漢字を用いた熟語」は、現代の日本語ではほとんど使われることがないようなものがほとんどである。しかし、「新潮日本語漢字辞典」は中国の古典にこだわらず、日本語を重視した構成になっている。
索引もよくできており、索引を見ているだけで漢字の読みの勉強になる。
旧字体が正確で大きい
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いい加減な旧字体の漢字辞典が多くなってしまった昨今、当辞典は旧字体の形状も正確で角川新字源と並んで信用でき、しかも大きくて見やすい。さらに熟語の引用文などもその時代の仮名づかいを残すなど他の最近の辞書辞典とはレベルが違う価値があると感じる。 星一つ減らしたのは情報量が多いためそれなりに大きくて重いからだが、それ以上の価値はある。値段も安くはないが、1冊で漢字辞典日本語辞典広辞苑以上の価値があると考えれば安い買い物だと思う。将来物書きなどを目指す人には特にお勧めしたい。
年金問題とパソコンによる漢字入力、旧字体と新字体の関係が大きく影響していることに
なぜ誰も気づかないのだろうか。 筆払いなどが単なる装飾であると思い込んでいる人もあるが、れっきとしたそういう形状であり、日本人はもっと正確な漢字、正字などを真剣に学んでおくべき。
「ぬえ」から脱皮した日本語のための漢和辞典
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詩人の荒川洋司さんお奨めの辞典です。
漢和辞典は、日本語の辞書でも中国語の辞書でもないどっちつかずの「ぬえ」のようなものだとの指摘が高島俊男氏らによってなされています。現代日本語の語彙は(1)中国の古典から漢字と共に輸入したもの(2)和語(古くからの日本語)(3)明治時代に西洋の概念を日本に輸入するために漢字を使って翻訳したもの、の3つからなっています。漢和辞典は(1)のみを対象としているため、日本語の辞典ではなく、かといって現代語や口語を収録していないため、中国語の辞典でもないというのです。
本書はそういった現状を憂う人達によって編まれたものです。漢字を中国のものではなく、もはや日本語の一部になったものと考え、語彙や用例もこれまでの古典籍ではなく日本人になじみのあるところから採録しています。ものは試しに「花」という字から始まる語彙を引いてみましょう。
『角川漢和中辞典』で引くと「花下(かか)」「花子(かし)」「花天(かてん)」…と普段なじみのない語が続きます。
『新潮日本語漢字辞典』で引くと「花一匁(はないちもんめ)」「花火」「花魁(おいらん)」など聞いたことのある語が並びます。どうでしょう、なかなか便利そうだと思いませんか?
一方問題点もあります。日本語の語彙を中心に据えているということは、今度は逆に国語辞典の漢字語彙を抜き出しただけのものではないか、という批判がありうるでしょう。編者の小駒勝美氏は引き方で差別化を図っていると述べていますが・・いずれにせよ、より良い漢和辞典への模索は今後も続くでしょう。