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So Long Astoria

価格: ¥637
カテゴリ: CD
ブランド: Sony
Amazon.co.jpで確認
   インディ・レーベルからひと握りのアルバムをリリースし、ツアーのためにあわただしい数年間を過ごした後に発表した本作によって、アタリズはメジャー・レーベルへと転向した。全編を貫くコンセプトが“記憶の力”――リチャード・ヘル的なテーマだが、皮肉なことにその起源はビリー・ジョエルあたりにあるといっていい――であるとはいえ、クリス・ロウと仲間たちは果敢に自分たちのやり方を推し進め、映画的な喚起力と豊かなフレーズをもたらしている。
   しかし、そこに難があるのだ。ファンはこのアルバムについて、前向きなエネルギーに満ち、明るく、楽曲がしっかりと組み立てられており、アップビートに彩られているという評価を下すだろう(「Unopened Letter to the World」のようなインテリ気取りのつたない曲もあるにしても、だ。この曲はカート・コバーン、さらには詩人エミリー・ディキンスンと同じ方向性を持つ)。
   だが、皮肉屋に言わせれば、パンクもオルタナティヴ・ロックもすっきりと整理された――と同時に柔軟性を欠いた――形式に落ち着いてしまい、80年代にのさばっていた屍(しかばね)同然のくだらないロックと同じになってしまったのだ、そのことが本作によってまたしても証明された、ということになるのかもしれない。
   それでも、全体的に見れば、アタリズは本作で迷いのないパワー・ポップを追求し、ほぼ完全にそれを実現したといえる。さんざん演奏されすぎた感のあるドン・ヘンリーの名曲「The Boys of Summer」を巧妙で練りに練ったカヴァーに仕立て上げたことでも、それは明らかだ。(Jerry McCulley, Amazon.com)