日本人のためにエスペラントと格闘した辞典
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本書は見出し語約53500語に付録のついた辞書である。編者の宮本正男は日本の詩歌のエスペラント訳、hajkoやtankaoという俳句、短歌をもとにしたエスペラント原作文芸などの分野を開拓しつつ、この日エス辞典の執筆・編集にあたった。その成果は、例えば「しょう:笙 pajnfluto」などの日本人でもきちんとは説明できるとは限らない事柄への丁寧な訳語となって表れている。ある意味で、日本人のためにいかにエスペラントで表すかという格闘の成果をこめた一冊といえよう。なお、編集というのは、専門分野の原稿は、何名かの執筆者の原稿を一体のものとしてまとめたからでもある。