閉鎖される約1か月前のフィルモア・イーストにおけるライヴ録音。地元NYで、1971年といえば、まさにローラ・ニーロの最盛期である。悪かろうはずがない（テープの状態は結構ヒドかったみたいだけど、最新の技術で立派に鑑賞に耐えうるレベルになっている）。2曲目と10曲目のメドレーは、以前『ゴナ・テイク・ア・ミラクル』のエクスパンデッド版にボーナス収録されていたものだが、残りはすべて初出音源。しかも、自作の「アメリカン・ダヴ」「マザー・アース」は今回初めて世に出た楽曲というからうれしい。ピアノ弾き語りによるシンプルなパフォーマンスはソウル（魂）を感じさせるもので、なかでも「セイヴ・ザ・カントリー」での聴衆と一体になっての盛り上がりには、思わず鳥肌が立った。ファンなら迷わず買うべし。（木村ユタカ）